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2022年04月11日 14時 [新聞・出版・放送企業の動向]

日本僑報社

【日本僑報電子週刊】連載「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ

【日本僑報社発】3月13日配信の日本僑報電子週刊第1505号は、中国人大学生の連載原稿・「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ が掲載された。全文は下記の通りである。


【日本僑報電子週刊】連載「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ
【日本僑報社発】3月13日配信の日本僑報電子週刊第1505号は、中国人大学生の連載原稿・「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ が掲載された。全文は下記の通りである。

「鶴の橋渡し」コラム(3)
頑張れ、雪松町
瀬川 はやみ 
 「うちの団地はね、今日から封鎖に入るわよ」
 母の一言で眠気が一気に吹き飛んだ。
 窓を開けると、肌寒い春風が入ってきたとともに、聞き慣れない町内アナウンスが聞こえてきた。
 「雪松町の住民のみなさん、マスクをつけて、町内会の隣にある公園へPCR検査を受けに来てください」
 ここ一か月、上海ではコロナが一気に広がっていた。オミクロン株の感染ルートを明確にするために、各団地では検査を進めていたが、毎日、驚くほど感染者数が右肩上がりで、一向に収まる気配がなかった。母によると、昨日の恒例検査で陽性感染者が見つかったらしく、私たちの団地はしばらく封鎖されることになり、毎日、検査を受けなければならない。体の不自由な父のために、検査係が後から自宅まで検査しに来るので、私と母は指示どおりに検査先へ向かった。
 4階の我が家から下へ降りるのに2分、町内会の隣にある小さな公園まで5分しかかからない。短い距離だが、今日は妙に長かった。久々の外出だからか、街中の光景に異様さを感じた。マスクをつけながら検査を受けに行く人もいれば、団地の入口まで野菜や米などを受け取りにいく人もいる。春に入ったとはいえ、寒風がまだまだこの地を離れないのであろうか、身に染みるほどの風がコートの中へ潜り込んできて、私はコートをぎゅっと締め付けながら歩いていた。
 そういえば、今年の桜はもう咲き始めたのだろうか。
 たわいのないことを考えていると、いつの間にか検査先の公園に着き、そこには既に長蛇の列ができていた。周りを見渡せば、お年寄りばかりだった。
 「一時間も待ったけど、検査係はまだ来ないかな」
 「今、昼ご飯を食べているから、もうしばらく待ってくださいね」
 「朝から晩まで検査してくれるから、彼らも休みが必要だよね」
 中には、長時間待っていることにいらいらしている人もいたが、周りの住民たちの慰めの言葉でだんだん落ち着いてきたようだ。
 午後2時、昼下がりの時間になり、検査係の方たちは席に着き、ようやく列が動き始めた。早朝も深夜も関係なく、みんなのために働いている。白い防護服を着ていることから、「大白(ダーバイ)」という愛称も付けられ、みんなから愛されている。
 「必ず健康雲アプリでPCR検査を申請し、QRコードを検査係に示してください。操作の分からない方は私に声をおかけください。携帯のない方は身分証明書を見せてください」
 検査係のほかに、公園のあちこちで慌しく動いている人もいた。緑色の服を着ている自ら検査の手伝いを申し込んだボランティアたちだった。ほとんどが大学生で、授業のない時間にメガホンを手に持ち、住民たちにアプリの使い方を説明したり、列を整えたりしていた。彼らは「みどりちゃん」と呼ばれている。
 「シュちゃん、こんにちは」「あっ」
 向こうから歩いてきたみどりちゃんの中には、わたしの幼馴染もいた。同じ団地に住み、同じ小学校に通い、同じ公園で仲良く遊んだ。中学は団地より1時間ほど離れた学校を選んだので、離れ離れになった私たちはそれ以来、ずっと会っていなかった。十数年ぶりになるが、今でも彼女の顔はすぐわかった。しかし、遊び場ではない今の公園では、お互い励ましの微笑みをしただけで、彼女はまた後ろに並んでいる人のほうへ向かい、手伝いが必要かどうかを尋ねに行った。
 名前の確認から検査まで、あっという間だった。ダーバイさんやみどりちゃんにお礼を言ったあと、公園を離れようとした。
 「検査は終わりましたか」「はい、ありがとうございます」
 すると、みどりちゃんから小さなチケットを渡された。「検査済」という三文字の隣に、「雪の積もった松」が一本、描かれていた。松の木がいっぱい植えている雪松町は、めったに雪の積もらない都市だが、生まれてからたった一度だけ雪が降ったことがある。それは2008年北京オリンピックの年のことで、珍しく大雪が降ってきたので、わくわくした気持ちを抑えきれず、私は手袋もマフラーも捨てて、家を飛び出した。すると、我が家の前にある大きな松の木に真珠のような白い雪が積もっており、寒風の中でも生き生きと変わらず凛々しい姿で立っていた。
 暖かい視線で雪松町に住む人々を代々見守ってきた雪松には、一層、特別な意味があるのだろう。私は振り返り、ダーバイたちとみどりちゃんたちのほうを見た。日常を取り戻すために懸命に頑張っている後ろ姿に、なぜか急に目頭が熱くなった。白い防護服の裏にも、緑のボランティアの服の裏にも、「頑張れ、雪松町」と書かれていた。
 雪松町は、今日もコロナと闘っている。聞き慣れなかったコロナ禍という言葉も、今までやったことのないPCR検査も、今や既に日常的な存在となった。冷たい雪が降っている冬を乗り越え、松のように健やかに生きていけるのを信じ、私たちは今日も頑張っている。
注:?雪松町:上海の西北部に位置する町
?健康雲(ヘルスグラウンド):PCR検査や抗体検査の予約・結果がわかるプラットフォーム。WeChat又はアリペイのミニプログラムから入ることができる。

※瀬川(せがわ)はやみ 「鶴の橋渡し」コラムの開設者。現在、名古屋大学人文学研究科で日本語教育を専門とし、研究活動を行っている。中国の伝統衣装である漢服(ハンフー)文化をはじめ、様々な文化発信や異文化交流に力を注いでいる。
※「鶴の橋渡し」コラム このコラムは、日本語を勉強している中国人学生の目線から、様々な日中文化をエッセイの形で紹介する。「鶴」は「長く幸せを運び、千年の長寿」を意味し、「橋渡し」は「橋をかけること」を意味している。日中国交正常化が50周年を迎えた年に、コラムの発信者らが千年生きる瑞鳥のように、日中間の橋掛けとなり、日中交流が末永く続きますようにという願いが込められている。



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