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(2012-01-17 10:00:00)

 
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2022年04月01日 17時 [医療・健康企業の動向]

株式会社 N Lab

病理医の診断をサポートする説明可能な人工知能の開発に着手 -長崎大学・産総研開発のAI「MIXTURE」の使用契約を締結-

長崎大学発スタートアップである株式会社N Lab(エヌラボ)(CEO 北村 由香)は、長崎大学と産業技術総合研究所により開発された説明可能な人工知能「MIXTURE」を用いて病理診断AIを作成することについて長崎大研究チームとMIXTURE使用契約を締結致しました。今後、MIXTUREを用い、病理医の診断をサポートするAIモデルの開発を開始し、現在完成された間質性肺炎の診断モデルに加え、更に様々な疾患や分野へと展開します。


長崎大学教授 福岡順也医師と同大学院生 上紙航医師(NLab顧問)により開発されたMIXTUREは今までの人工知能とコンセプトの異なる「判断根拠を提示」するAIであり、従来の癌などの診断結果のみを提示あるいは病変の部位のヒートマップなどを提示するモデルとは異なる次世代型のAIモデルです。AIが病理医不在で診断を確定するのではなく、病理医がその判断根拠を理解して診断に用いることを基本コンセプトとするユーザーフレンドリーなモデルです。MIXTUREは、特に診断や判定に苦慮する状況においてその威力を発揮します。結果として経験の少ない稀な症例などにおいても、病理医が精度の高い診断を確定することを可能とする診断支援ツールとなります。この研究結果は、2022年3月にNature学術誌グループである「Modern Pathology」に掲載されました。
またこの研究は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」の一環として実施されています。

【説明可能なAIであるMIXTUREの概要】
人工知能による診断は種々の分野で既に用いられておりますが、そのほとんどは、なぜその診断に辿り着いたのかという過程を理解しづらいことから、「ブラックボックス」と言われてきました。医師が責任をもって患者組織の診断を実施する上では、その根拠を理解せずに人工知能の判断をそのまま採用することには大きなリスクがあり、世界各国にて説明可能なモデルの開発が進められています(図1)。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3NzEwNyMyOTM1MzkjNzcxMDdfTUFPVEp2VnFRVi5qcGc.jpg ]
(図1) 人工知能は「ブラックボックス」から「ホワイトボックス」へ
【説明可能なAIと診断精度の両立】
実はこの説明性と診断精度を両立させることは非常に難しく、説明性を加えると、多くの場合は診断精度の低下につながります。
MIXTUREは、すべての分野や疾患に適応可能ですが、現在完成しているモデルは、間質性肺炎という疾患のモデルです。高い専門性を有する医師の知識と、人工知能が得意とする特徴抽出という技術を融合させることで、診断が困難とされている通常型間質性肺炎(※2)を高精度に診断することを可能としました。
この結果、死亡率の高い通常型間質性肺炎に関し、人工知能のみにて構築するモデルに比べ、約42%も診断が向上することを確認しました(図2)。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3NzEwNyMyOTM1MzkjNzcxMDdfTEdEbGpITmxDQS5qcGc.jpg ]
 
(※1)病理医: 病変の組織や細胞を顕微鏡画像で観察して、病気の最終診断を行う医師。癌の治療には病理医の確定診断が必要。きわめて専門性が高く、世界的に不足が問題視されている。
(※2)通常型間質性肺炎:肺炎の一種である間質性肺炎のうち、とくに高い致死率を示すグループ。その他の間質性肺炎と治療方法が大きく異なる為、治療方針を選択する上で正確な病理診断が要求される。

【今後のビジネス展開】
・病理医が必要と感じる疾患の診断や判定のモデル開発へと展開し、現在既に病理医が使用している病理診断システムへと統合します。
・それに加え、弊社が有するデジタル化ツール(スライドスキャナーやクラウドビューワーなど)と融合させ、次世代型デジタル病理診断への移行を加速します。
・これらを使ってデジタル病理+MIXTUREによる病理診断スキームを確立します(図3,4)。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3NzEwNyMyOTM1MzkjNzcxMDdfdGZERWlCSERhai5qcGc.jpg ]



[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3NzEwNyMyOTM1MzkjNzcxMDdfaXZaamV3V1l5VC5qcGc.jpg ]


(図3)病理ガラススライドをデジタルスライド+MIXTUREで診断する
(図4)多くのクリニックや病院から提出される病理検体をデジタル化し、クラウド上でMIXTUREと連結。遠隔病理医により診断されるスキームのイメージ図

【掲載論文の雑誌】
Nature学術誌 Modern Pathology (インパクトファクター 7.842)


【タイトル】
MIXTURE of human expertise and deep learning ― Developing an explainable model for predicting pathological diagnosis and survival in patients with interstitial lung disease


【著者リスト】(下線が筆頭と代表著者)
上紙 航(長崎大学/亀田総合病院)、アンドレイ ビチコフ(亀田総合病院)、小笹 睦(長崎大学)、上原 和樹(産総研)、片岡 健介(公立陶生病院)、上甲 剛(関西ろうさい病院)、近藤 康博(公立陶生病院)、坂無 英徳(産総研)、福岡 順也(長崎大学/亀田総合病院)


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3NzEwNyMyOTM1MzkjNzcxMDdfYnRYZlRBT3VSci5qcGc.jpg ]
(図5)論文の表紙。この論文は3月の最も読まれた論文「Monthly Readers’Choice」に選ばれました。


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