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2022年08月10日 09時 [携帯、モバイル関連/研究・調査報告]

Counterpoint Technology Market Research Limited

2022年第2四半期インドスマートフォン市場における出荷量を発表〜前四半期比5%減少に〜

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、インドにおけるスマートフォン出荷量は、2022年第2四半期に、前年同期比9%成長したものの、前四半期比では5%減少し、ほぼ3,700万台となったという最新のMarket Monitorによる2022年第2四半期インドスマートフォン市場における出荷量を発表致しました。


前年同期比での成長は、COVID-19の第二波に見舞われて2021年第2四半期が低迷していたことが大きな要因であり、前四半期比での落ち込みは、マクロ経済の逆風が消費者心理に影響を与えたことが主な要因です。

インドスマートフォン市場動向に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストPrachir Singh氏は次の通り述べています。
「消費者需要は前の四半期より落ち込んだ。特に5月と6月で顕著だった。消費者は新製品を買うよりも、手持ちの端末の修理や、再生機の購入に動いた。この傾向は、エントリー機種や低価格機種において、より強い。こうして需要が落ち込んだことで、ほぼすべてのメーカーが在庫の問題を抱えている。6月末時点で、インドのスマートフォン市場には通常の在庫量の倍以上にあたる、10週間分の在庫が滞留している。各社は商戦の時期に備えて在庫を一掃するため、積極的な販売促進プロモーションを行っている。」

インドスマートフォン市場における各社の競合状況に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストのShilpi Jain氏は次の通り述べています。
「インドのスマートフォンユーザーベースは、この四半期中に6億を超えた。また、5Gスマートフォンの普及率も引き続き増加している。2022年第2四半期における出荷のうち、5Gのシェアは過去最高の29%に達した。5Gの電波帯オークション(過去最大規模の周波数帯オークションがインドで実施された)や、利用が容易になったことで、ユーザーの5Gスマートフォン選択が加速するだろう。スマートフォンの小売ASP(平均売価)も上昇基調である。2022年第2四半期は、高価格帯の比率が高まったことで、ASPは前年同期比10%上昇した。20,000インドルピー(約3.4万円)を超える価格帯の比率は、2022年第2四半期に過去最高の22%に達した。上位機種や高級機種の伸びは、支払いプランの充実によるところが大きい。」

図1: 2021年第2四半期と2022年第2四半期におけるインドスマートフォン市場シェア率比較・メーカー別


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMDE4NjkjNzc3NDVfemRDUWNGZmJsTC5qcGc.jpg ]
出典: カウンターポイント社Research Market Monitor, Q2 2022

※XiaomiにはPOCO、vivoにはIQOOを含む
※OPPOにはOnePlusを含まない
※四捨五入でのシェア率表記

インドの携帯端末全体の市場は、2022年第2四半期に前年同期比で6%成長したものの、前四半期比では9%減少しました。フィーチャーフォン市場は、主に消費者需要の落ち込みが要因となって、前四半期比17%の減少を記録しました。itelは2022年第2四半期のインドのフィーチャーフォン市場で首位となり、25%のシェアを獲得し、その結果、itelは10四半期連続でフィーチャーフォン市場の首位となりました。


図2: 2021年第2四半期と2022年第2四半期におけるインド携帯市場シェア率比較・メーカー別


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMDE4NjkjNzc3NDVfWHVHU1RCZHZzbS5qcGc.jpg ]
出典: カウンターポイント社Research Market Monitor, Q2 2022

※XiaomiにはPOCO、vivoにはIQOOを含む
※OPPOにはOnePlusを含まない
※四捨五入でのシェア率表記

市場サマリー

Xiaomiは2022年第2四半期もインドスマートフォン市場における首位を守ったが、前年同期比では26%の減少となった。Xiaomiは、第2四半期中続いた部品不足、インフレ、低価格帯での競争激化と、様々な課題に直面している。それでも、Redmi 10シリーズで低価格帯のポートフォリオを復活させ、中位〜上位価格帯での認知度を高め、四半期を通じて販促活動を行ったことで、Xiaomiは首位を維持することができた。同社はまた、5Gスマートフォン出荷でも第3位である。

Samsungは第2位で、2022年第2四半期は前年同期比14%の成長となった。また、同社は引き続き5Gスマートフォンを最も数多く販売したメーカーとなった。中位価格帯(20,000〜30,000インドルピー、約3.4〜5.1万円)において複数の5G周波数帯に対応する機種を出したことがSamsungの5Gでの成長の原動力である。Mシリーズをてこ入れし、S22 Ultraの好調が続き、Tier 2都市(人口100〜400万人の中規模都市)で多様な支払いプランを提供し、同社独自のオンラインストアを強化したことが、Samsungの2022年第2四半期の成長を助けた。Samsungは高級機の中のコストパフォーマンス価格帯(30,000〜45,000インドルピー、約5.1〜7.6万円)でもトップである。

vivoは、前年同期比22%の成長で第3位を奪還した。オフライン(路面店)で強いことに加え、Tシリーズでオンラインチャネルでの顧客リーチも拡大させ、Y15cとY01で10,000インドルピー以下(約1.7万円以下)のポートフォリオを刷新し、在庫を抑えつつ、高級機Xシリーズを改良したことがvivoの認知度アップ、シェアアップの双方に繋がった。また、T1シリーズのおかげで、vivoは5Gスマートフォン出荷においても、23%のシェアで第2位となった。

realmeは2022年第2四半期に第4位に後退したものの、トップ5社の中では引き続き最速で成長中で、前年同期比23%の伸びだった。サプライチェーンを多様化し、オフライン・オンライン両方のチャネルで積極的な流通戦略をとり、15,000インドルピー(約2.5万円)以上の5Gスマートフォンを重点的に攻め、同社の旗艦Cシリーズを改良したことが、realmeの出荷の伸びに繋がった。しかし、チャネルの在庫レベルが高いことが今後数か月単位の出荷に影響する可能性がある。

OPPOは、インドのスマートフォン市場で変わらず第5位だった。しかし、低価格帯ではA16シリーズ、中位価格帯の上のセグメントではF21シリーズ、中位価格帯の下のセグメントではK10シリーズと、価格帯全体で機種を刷新した。そのK10シリーズでオンラインでの顧客リーチを増やし、消費者の反応も良い。そのことでOPPOは2022年第2四半期に前年同期比で18%成長した。

Transsionグループの各社(itel、Infinix、TECNO)は、インド携帯全体の市場で12%のシェアを獲得し、第4位についた。A23 ProとA27の出荷が好調なitelは、6,000インドルピー(約1.1万円)以下の価格帯において77%ものシェアを確保し、首位となった。また、TECNOは8,000インドルピー(約1.4万円)以下の価格帯において第2位となった。Tier 2とTier 3都市でのSpark Go 2022とPop 5 LTEの引き合いが強かったことが効いた結果となった。

Appleの成長は、2022年第2四半期は66%で、COVID-19の第二波の影響で前年第2四半期の数字が小さかったことが効いている。最高級セグメント(45,000インドルピー、約7.7万円)において首位を維持している。Make in India政策に沿ってインド国内消費向けと輸出向けの製造能力を強化したこと、多くの販売プロモーションをオフライン店舗で展開したこと、消費者が50,000インドルピー(約8.5万円)を超える価格帯でのAppleブランドを好むことなどが、Appleの高級機セグメントにおける地位の維持に貢献した。自社のオンラインストアを開いたこと、iPhone SE 2022の発売、そして、他のモデルでのキャンペーンによって、続く四半期でのAppleの業績がさらに伸びる可能性がある。

OnePlusは2022年第2四半期に前年同期比45%成長した。Nord CE 2シリーズとOnePlus 10の出荷が貢献した。OnePlusは高級機(30,000インドルピー、約5.1万円以上)セグメントで第3位を維持した。また、同社は100% 5G対応のポートフォリオであるため、5Gスマートフォンの出荷においても第3位を獲得した。


本レポートの詳細並びに全世界でのスマートフォン市場シェアなどの情報は、こちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/data/

今回の発表は、各社IR情報やインタビューに基づく出荷台数推定、販売チャネル情報による裏付け、チャネル情報詳細、その他二次的調査などボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。Market Monitorにその詳細が報告されています。(調査時期:2022年4月1日〜2022年6月30日)


【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト:https://www.counterpointresearch.com/



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