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2023年08月15日 17時 [新聞・出版・放送/製品]

株式会社イースト・プレス

新しいムーブメントは過去の音楽の「再流行」とともに生まれる?デジタルストリーミング時代の必読書、『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』8月16日刊行。

フォーク、ロックンロール、レアグルーヴ、渋谷系、ニューエイジ、アフロビート、ドラムンベース、ポップパンク……ポップ史において過去の音楽がどのように発見され、アップデートされていったのか? 気鋭の音楽評論家・柴崎祐二氏による、あらゆる時代の音楽にアクセス可能となったデジタルストリーミング時代におくる画期的なクロニクル。




株式会社イースト・プレスは、2023年8月16日に『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす「再文脈化」の音楽受容史』刊行します。

本書は、ポップミュージック史における「再流行(リバイバル)」をテーマにした一冊です。フォーク、ロックンロール、レアグルーヴ、渋谷系、ニューエイジ、アフロビート、ドラムンベース、ポップパンク……これまでのポップ史をふりかえると、新しいムーブメントは、過去の音楽のリバイバルとともに生まれています。

ポップ史において過去の音楽がどのように発見され、アップデートされていったのか?

前著『シティポップとは何か』も話題となった気鋭の音楽評論家=柴崎祐二氏による書下ろし。あらゆる時代の音楽にアクセス可能となったデジタルストリーミング時代における画期的なクロニクルです。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3ODYxMiMzMjM0MjgjNzg2MTJfUW9WZ1VhanZhTy5qcGc.jpg ]
【本書「はじめに」より】
前世紀以来、絶え間なく前進を続けてきたポップミュージックの歴史。ロック、ジャズ、ソウル、クラブミュージック。あらゆるジャンルのポップミュージックは、常に「新しさ」を駆動力として進化し、リスナーの側も、常にいまだ見ぬ音楽を求め、「新しさ」と戯れてきた。そうした見方は確かに当を得たものでもあるし、時代の先端を映し出すポップミュージックは、当然ながらいつも「新しい」ものだった。

しかし、これまで折々に登場してきた「新しい」ポップミュージックの細部、あるいは周辺を改めてじっくり検分してみると、そこでは常に、過去の音楽が再解釈され新たな文脈とともに再生されるという現象もまた絶え間なく起こってきたのが分かる。

考えてみれば、あのビートルズがデビュー当時に奏でていたのは、その少し前に世を席巻したアメリカ発のロックンロールだったし、今や現代のポップミュージックの基盤的な存在として世界中に浸透しているヒップホップも、元は既存のレコードを素材にそれを再構築するという手法とともに産声を上げたものだ。また、同じく現代のポップミュージックにおいてなくてはならない「DJ」という存在/様式もまた、過去のレコードの再解釈という行為と切り離すことは難しい。

1960年代前半にアメリカで盛り上がりを迎えたフォークやブルースのリバイバル。1970
年代のグラムロック〜パンクロックにおける初期ロックンロールへの回帰。同じく1970年代イギリスのノーザンソウルシーンにおける1960年代ソウルへの偏愛。更には、レアグルーブムーブメントが推進した70年代のソウルやジャズファンクの再評価、「渋谷系」の時代におけるソフトロックやラウンジミュージックのリバイバル。シティポップブームに象徴される1980年代サウンドの復権。2010年代以降のニューエイジミュージックの再評価。そして、昨今の「Y2K」ブームと連動したポップパンクやドラムンベースなどのリバイバル。その他、その他、その他。この間のポップミュージックの展開の傍らには(あるいはその中枢には)、様々な過去の音楽の復権とそのブーム=リバイバルが常に存在している。

なぜ、「新しさ」を掛け金として進化してきたように見えるポップミュージックの歴史において、そのような過去の復権/リバイバルが度々観察され、それどころか、場合によっては折々の先端的な潮流そのものを形作るような役割を担ってきたのだろうか。しかも、どうやらこうした傾向は今世紀に入ってから更に加速しつつあるようだ。過去の音楽が日々新鮮な驚きとともに受容され、それが更に新たな実践へとインスピレーションを与えるという円環構造は、おそらくこれから先もより一層強大なものになっていくだろう。

いつからか、ポップミュージックは直進的な進化をすっかりやめてしまったのだろうか。ポップミュージックはすでに前方への歩みを止め、自身の尾を食べ続けることで自らの過去へと無限に囚われ続ける、物悲しいスパイラルに陥ってしまったのだろうか。

もしかするとそうなのかもしれないし、仮にこのような趨勢が単なる「現象」なのだとしても、その流れが簡単に覆くつがえるとも思えない。これは、ポップミュージックを常にその「新しさ」とともに享受してきた音楽リスナーたち、あるいは「新しさ」を見出すことに批評的な力点を見出してきた音楽ジャーナリズムにとっても、いかにも苦々しい事態だろう。

しかし、今ここで発想を転換してみるべきだろう。

むしろ、過去の復権/リバイバルという現象それ自体が、すぐれて現代的かつ同時代的で、なおかつ折々のサブカルチャーやそれらを取り囲む社会の情勢を鮮やかに映し出す、ダイナミックで「新しい」何かなのでないか、と。

【目 次】
はじめに
1 ブルース「真正なる黒人音楽」を求めて
2 フォークとカントリー:ルーツを呼び覚まし、コミュニティをつなぐ音楽
3 ロックンロールとオールディーズ:繰り返される「若さ」のサウンド
4 レアグルーヴとヒップホップ:リスナーによる音楽革命
5 ソフトロックとラウンジミュージック:渋谷系の時代と引用と編集の論理
6 和モノとシティポップ:「踊れる歌謡曲」の発掘と新しいノスタルジア
7 ニューエイジとアンビエント:ウェルビーイングとストリーミング時代のリバイバル
8 アフリカ音楽:「過去」と「記憶」を蘇らせるグローカルな実践
終章 拡散するリバイバル
おわりに
主要参考文献/索引


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3ODYxMiMzMjM0MjgjNzg2MTJfTlJUdWRJdnRCVS5qcGc.jpg ]
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3ODYxMiMzMjM0MjgjNzg2MTJfc2JmR2pyeUtCVC5qcGc.jpg ]
【書誌情報】
『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす 「再文脈化」の音楽受容史』
柴崎祐二 著

定 価 2860円(本体2600円+税10%)
ISBN 978-4-7816-2228-6
JANコード 1920073026006
発売日 2023年8月16日
判 型 四六判
製 本 ソフトカバー
ページ数 416ページ
イースト・プレスHP:https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781622286


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