株式会社ALBERT

弊社はレコメンデーションの専門企業です。このレコメンデーションを核として、エンジン事業とメディア事業の二つの事業を展開しています。
エンジン事業というのは B to B の事業になりますが、ニーズに応える推薦エンジン『Bull's eye』、必ずヒットするあいまい検索『ファジィスペックサーチ』のほか、見た目と感性で商品を選ぶ『イメージセレクトサーチ』、画像で探せる感性検索 『るいじしゃく』、履歴を使った推薦を安く簡単に導入できる『おまかせ！ログレコメンダー』等をECサイトやメーカーダイレクトサイトに提供しています。
もうひとつのメディア事業はB to Cの展開で、レコメンドエンジンによるWebメディアを自社運営しています。現在は欲しい商品が見つかるレコメンデーションサイト『見つかる.jp』を運営しています。
また2007年11月には、簡単かつ低価格にて、高精度なレコメンドが実現できる「おまかせ！ログレコメンダー」（後述参照）のASP提供を開始しました。

レコメンデーションという言葉は直訳すると「お薦め」という意味ですが、弊社が開発したシステムの一つが「イメージセレクトサーチ」です。わかりやすく言うとユーザーがサイト上で選んだ商品の色や形状などのアクションデータを用い、それに似たものを商品群の中から選び出すシステムです。これはいわゆるテキストを使わない「感性検索」というもの。キーワードを入力なくても、自分の欲しい商品や情報を検索できる技術ですね。つまり「自分が何を一番欲しいかよくわからない」というユーザーでも、自分の趣味志向に近いものを画像やイメージで選んでいくことで、そのユーザーのニーズに最も適した商品を検索できるというシステムです。
弊社はそれ以外にも、あらゆる商品・サービスに適用できる、様々なシステムを提供しています。各システムは現在、ニッセンやヤマダ電機、東芝、リコー、Niftyなどの大手企業の通販サイトにも採用されています。
ネット通販はだいぶ普及しましたが、リアル店舗の販売規模にはまだまだかなわないのが現状。ですが商品の見せ方次第で、ネット通販を利用する人はもっと増えるはずなのです。実際、弊社のレコメンデーションの採用により、コンバージョン率が2.5倍、また購買率が1.6倍に上昇したというケースもあります。

はい。「コネコネット」で展開している、大手量販店などの価格情報を「教えて！家電」に提供していただき、家電商品の選択から価格比較、店舗検索、購入までを一括して利用できるようになりました。ユーザーはレコメンデーションを使って、簡単な質問に答えながら欲しい商品を見つけ、どの店が最も安いか、また在庫の有無などを簡単かつ的確に調べることができます。逆にコネコネットに訪れたユーザーにも「教えて！家電」のレコメンドシステムを利用できるようにすることで、ユーザービリティが向上しました。この提携により、相互送客を促進し、PVのアップを実現します。

私は、横浜国立大学の工学部を卒業後にTDK株式会社入社しました。TDKでは磁気テープ研究部に配属され、世界初のS-VHS 2層塗りビデオテープ等を開発しました。その後、2社ほどで常務取締役、代表取締役を経て、2000年に株式会社インタースコープ（現ヤフー・バリュー・インサイト）というマーケティングリサーチ会社を設立しました。
インタースコープでは、現在のレコメンデーションの原型となるシステムを東大の研究室と一緒に研究開発していたのですが、実際に物販を行っているわけではなかったこともあって、顧客の購買情報を収集することができなかったのですね。
その頃ちょうど、通信販売大手のニッセンが、我々の研究に注目してくれて、ではニッセンの膨大な顧客データベースをレコメンデーションに活用してみようということになった。そうして2005年に、ALBERTを設立するに至ったのです。
ALBERTという社名は、相対性理論で有名な天才科学者、アルベルト・アインシュタインの名前から取りました。古い世界をひっくり返し、新しい理論を作り上げる企業にしたかったからです。

社長の上村は元々、早稲田大学在学中にインタースコープでインターンをしていたのです。すごい逸材だったので、彼が卒業するときにインタースコープに誘ったのですが、彼は外資系の大手コンサルティング会社に入ってしまいました。でもプロジェクトには、どうしても彼に参加してもらいたくて、口説き落として入社してもらい、その後、ALBERTの社長に就任してもらったのです。

「おまかせ！ログレコメンダー」は、簡単に言うと、ユーザーの行動履歴を解析し、お勧め商品を画面に自動表示できるシステムです。インターネットの通信販売には最適のレコメンデーションシステムですね。
　他社の同様のサービスに比べると、ASPサービスとして提供するため初期のシステム投資を最小限に抑えられ、しかも運用コストが格段と低いのが特徴です。導入が簡単なので、あらゆるECサイトに提供していこうと考えています。2008年末までに100社への導入を目指しています。

携帯電話向けレコメンデーションを実現します。最初は携帯通販サイトへの導入となりますが、弊社のレコメンドエンジンは消費者向けのECサイトだけではなく、様々な分野で活用できるのです。
実際、弊社の抱える案件の中でも、ECサイト以外での活用案件が増えてきています。特にSFA（営業支援）ソリューションとしてのレコメンドエンジンが、今後ますます注目されるはずです。
たとえば、優秀な営業マンの提案プロセスを、レコメンドエンジンとしてシステム化し、全ての営業マンが携帯電話から利用できるようなSFAソリューションです。レコメンデーションシステムを利用すれば、営業マンは携帯画面に従って顧客のニーズを聞き出すだけで、顧客の目の前で最適な商品を提案することができるわけです。
またコールセンターのソリューションや店頭での無人接客システムにも、レコメンデーションシステムを導入していきたいですね。さらに商品だけではなく情報を扱うニュースサイトや就職サイトとのアライアンスも計画しています。既に「おまかせ！ログレコメンダー」は大手金融機関にも導入されています。

会社の力は、社員たちの力の総和だと思っています。ひとりひとりの社員の能力は、「素質×やる気×教育」という式で表せます。経営者の役割というのは「方向指示器付きお茶組み」です（笑）。社員がやる気になって働ける環境作りが大事。そのために経営者は社員の所得を上げることを考え、その方向性を示しながら、より利益を上げ発展することを実践するわけです。
　ALBERTは一部上場企業の平均に比べて、休みは1.5倍、所得は2倍を目指しています。豊かな人生のためには充分な時間とお金が必要だからです。人の1.5倍休んで2倍の所得を得るには、生産性を3倍にしなくてはならない。
　そのためには、会社の環境作りと同時に社員の教育も大事です。TDKの元社長である素野福次郎氏が言われたのですが、「企業というところは人を教育し、人の質を高めるところである。企業が道場であり、経営が指導であるとするならば、経営者は教育者である。」という言葉があります。やはり、経営者というのは、経営理念に基づいた社員教育をしっかりと行わなくてはならない。そして社員全員が経営者精神を持つようになれば、経営者と社員という垣根もなくなります。
　そうなったときに、経営者も含めた社員の力の総和が、本当に会社の力となるのですね。