サイバーウェーブ株式会社

弊社は、1996年からWEB系技術者出向事業と、コミュニティを軸としたシステム開発事業の2本柱で事業展開をしてきましたが、昨年（2007年）の下半期から事業方針をダイナミックに変革し、現在は、勤怠管理システム「タイムアシスタント」の開発販売に注力しています。

「タイムアシスタント」のシステムは弊社で開発し、昨年の1月から自社内で活用しておりました。その有益性が充分に確認できたので、ソリューションとして新規事業にしようと決め、専任のプロジェクトチームを作りました。今まで培ったコミュニティ環境を絡めた新しい価値を入れて、製品化していこうと思ったのです。また価格的な優位性を図るために、3月から9月までじっくりと製品化に取り組み、昨年の９月から本格的なご提供を開始いたしました。

このシステムは、社員の持っている「おサイフケータイ」や「FeliCaカード」、またパソコンを使用して、月末給与計算までを含む勤怠管理を行なうソフトウェアです。専用のハード、FeliCaリーダー、スピーカー等を同梱するソリューションとしてご提供しています。
出社／退社の記録はもちろんのこと、打刻漏れや申請書などの提出を社員の携帯電話へ自動通知でき、当月の予想就業時間の算出といった機能も備えています。
会社側にとっては、簡単な操作でタイムマネージメントを実現できますし、報告や申請業務の軽減化も図れるわけです。さらに、集積したデータをもとに、各社員の業務内容と処理時間の一元化が行なえるため、経営力のスピードアップを図ることもできます。
スピーカーからは、社員の出退勤にあわせて、女性キャラクターの声で「おはようございます」「お疲れさまです」と、優しく声をかけてくれます。エモーショナルな部分のサービスを提供していくことも大事ですからね。

小学校３年生のときにパソコンと出会い、自分でお絵かきソフトのプログラムを作ったりしていましね。中学時代には、親戚の物理の先生や私の兄から物理を教えてもらい、BASIC、Ｃ言語、ＣＯＢＯＬ、アセンブラなどのプログラム言語を使って、天体軌道シミュレーションや遺伝的アルゴリズムなどを作っていました。高校時代はコンピュータで対戦できるゲームなども作りました。
コンピュータが好きだったのですが、それ以上に、人と人とが繋がることが好きだったのです。人と人とを技術を使って結び付け、皆に喜んでもらうことが、自分のするべき仕事だなと思っていました。
それで大学（東京電機大学大学）２年のとき、1995年ころですね、携帯電話のオンライン通販事業を始め、翌年の1996年に個人事業として創業しました。次に、インターネット上で人を集め、口コミでマーケティングして商品を販売する「リンカースタッフシステム」を始めたのです。2万人くらい集めましたね。今でいうアフェリエイトネットワークです。その後、大学院（東京電機大学大学院）在籍中の1999年に有限会社サイバーウェーブを設立し、2000年にサイバーウェーブ株式会社に組織変更しました。

先ほども申し上げたように、弊社では創業時からエンジニアの教育と人材派遣事業、また受託でシステム開発事業を展開してきました。
システム開発では、2.0系のxmlやＲＳＳの連係などが得意でしたので、ＳＮＳやブログなどのコミュニティ・ポータルサイトの構築を多く手がけていました。人材派遣事業では、ＳＮＳベースでエンジニア同士が繋がるコミュニティ「スキルオークション」というサービスを、自社メディアとしてご提供しておりました。

２〜３年前から私は、ＩＴ技術を使った新たな事業で、さらに社会貢献したい。もっと実質的な部分で、人に対して、また社会に対して貢献できる事業を展開したいと思っていました。
社員がいる限り、会社は絶対に労務管理をしなければならないですよね。弊社でも、労務管理が非常に大変でした。その労務管理をもっと楽にできるシステムを、弊社の技術をフルに使って開発し、世の中に提供していきたいと思ったのです。そうすればお客様に対して、もっとダイレクトに価値を生むことができる。お客様が喜び、それを見てエンジニア自身も喜び、仕事にやりがいと誇りを持つことができます。
「タイムアシスタント」の開発・販売は、そのために始めた事業です。企業の要（かなめ）は人です。だから人の時間を管理するための技術に特化した新事業を始めたのです。

「タイムアシスタント」は、日本全国に50万社ほどある、50〜300人の従業員規模の中小企業様にご提供していきたいと考えています。現在、「タイムアシスタント」導入のお話をさせていただいている企業様は、70件くらいあります。お客様にはまず、「タイムアシスタント」をどうやって使っていただくかというヒヤリングから始めています。
会社では通常、タイムカードを集計し、残業時間などをエクセルなどで算出しますが、人件費などのコストがかかっています。たとえば、タイムカード計算の人件費で月に8万かかっているとしますよね。でも「タイムアシスタント」なら、月額2万円で導入できます。20以上社員がいると、タイムアシスタントを入れたほうがコストダウンになるのです。

人間が80年生きるとすると、仕事をするのは40年間。その40年間の中で仕事に費やす時間は、週5日の1日8時間で計算すると、月に160時間です。160時間労働の社員が100人いる会社だと、全部で1万6千時間の労働時間を事業に投資できるわけですね。その1万6千時間を社長は、企業のミッションに向かわせなければならない。1万6千時間のうち、5千時間はこのプロジェクト、2千時間はこっちのプロジェクトというふうに、労働時間とプロジェクト内容を正確に照らし合わせながら、マネジャーが責任を持って管理していかなければならないわけです。
そういう労働時間に対する原価計算を、「タイムアシスタント」は正確に計算できるのです。「人件費が500万円かかっています」だけではなく、500万の中でどのプロジェクト対して労働時間をどのくらい投資したのかが、一目瞭然とするわけです。

現在、「タイムアシスタント」の販売チャネルは直販がメインです。今は、ヒヤリングシートから入って、契約書の書き方まで、営業方法を仕組み化しているところです。その仕組みをしっかりと作れれば、代理店さんともご一緒に販売していけると思っています。

3年後の目標としては、全国50万社の中小企業様に対して、弊社の名を知らしめること。サイバーウェーブ株式会社は、労務管理、個別原価計算のソリューションを提供している会社なのだと知っていただくことですね。3年後には「タイムアシスタント」のブランドをきちんと作りたいと思っています。
弊社は、技術が売りなので、あくまでも技術の特化に注力していきたい。今後の事業展開では、資本提携も含め、事業的なアライアンスを作れるのであれば、販売力や営業力を補っていきたいと考えています。
弊社の中では技術部隊を充実させ、テクノロジーをさらに突き詰めていき、全国50万社の中小企業様に対し、あらゆるデバイスを使って時間管理サービスご提供していきたいと思っています。

学生時代からこの事業を始め、昨年、30歳のときに新たなソリューション事業として「タイムアシスタント」の開発と販売を始めましたが、私自身はそのとき、あと10年をエンドとして決めました。今年からあと9年で、このビジネスを完成させ、40歳以降は第2の人生を作っていきたい。
そう決めたことで、ますます、現在のこの事業に命を張っていこうと思えるようになりました。