株式会社 図面情報

弊社は、図面の電子化及びGIS（Geographic Information System）専門の業務を行なう会社として平成13年（2001年）に設立されましたが、現在はこの仕事を行なっていません。
弊社の設立に当たって私は、IT業界出身の40歳代のベテランたちを集めました。彼らは20代のころに大型マシーンを扱っていた世代で、コンピューターの黎明期にIT産業の礎を築いてきた人たちです。大型のシステム開発の経験があり、なおかつチームを統括する管理能力もある。そんな優秀な人材を活用するため、弊社は平成15年以降、事業形態をITコンサルタントとソリューション・アウトソーシングに切り替えてきました。

コンサルタント事業部では、大企業が大規模なITシステムを導入する際の調査分析をお手伝いさせていただいています。また大手IT企業が業務用システムを開発する場合のプロジェクト･マネージメント支援、あるいはPL法に関するコンサルティングをしています。　
ソリューション・アウトソーシング事業部では、ソフトウェア開発およびそれに付随する技術提供の支援を行なっています。

私は昭和40年（1965年）からコンピューターに携わっているのですよ。当時はまだ東京理科大学の学生で、理学部数学科で勉強していましたが、大学でもコンピューターの講義はなかった。ほとんど独学でコンピューターを勉強したのです。学生時代から株式会社丸美リサーチセンターという会社でプログラマーの仕事をしていたのですが、23歳のときには同社の取締役技術部長に就任しました。丸美リサーチセンターはその後、社名を株式会社日本コンピュータエンジニァリングに変え、昭和51年（1976年）にはJCEという社名に変更し、私が代表取締役に就任したのです。29歳のときでした。
JCEは、沖電気工業株式会社と合併するなど、12社のグループとなるまで成長し、私は昭和52年から、平成5年にJCEグループが解散するまでCEOを務めていました。
その後、数社の顧問などを務め、平成13年12月に、株式会社図面情報を設立したわけです。だから起業というより、ソフト産業の現場に10数年ぶりで戻ってきたと言うべきでしょうね。

弊社の事業を始めるに当たって、大手のIT企業を調査したのですが、どの企業もベテランの技術者が非常に少ない。バブル崩壊のときに大手企業は、給料の高い中堅以上の社員を整理したからでしょうね。若手の技術者は確かにWEB系の開発には向いています。ＷＥＢ系は少人数で、アイデアで勝負できますからね。しかし開発に数億円もかかる大きな業務用システムは、200〜300名の多人数で作っていかなくてはならないですから、リーダーがしっかりとスタッフたちを統括して、プロジェクト全体を完璧に管理していかないと、必ずあとでやり直しが出てコストが増えるものです。ところが多人数を動かせて、人の特性をつかむことができ、なおかつ技術的にも業務的にも優秀なベテランの人材が散らばってしまっている。だから私は弊社を、ベテランの集合体として作ったのです。

具体的な仕事を簡単に申しますと、弊社のベテラン社員が企業様のところに、プロジェクト問題の支援に行くわけです。納期が遅れているという問題が多いですね。大企業の大プロジェクトですと、納期の遅延は莫大な賠償問題になりますから、弊社はプロジェクト全体を調査し、立て直しのためのプランをご提案する。場合によっては、必要な人材もご紹介しています。

弊社は現在、ＳＥの社員は10数人しかいません。ソフトウェアの製造に関してはほとんど外注で行なっています。建築業で言えば、設計と設計管理プラス現場監督の親方をしているというイメージでしょうか。SEを多人数抱えると、大量生産、大規模成長のビジネスを展開する必要があるので、現状の経営戦略とはポイントが違うのです。
しかし弊社でもいずれは、多人数のSEを抱えていく必要がある。それは今後、他社との合併によって実現していく計画です。ちょうどよい時期が到来したときに合併することになるでしょう。時の利が来たときに、その利にいつでも乗れるように、今は大掛かりな準備をしているところです。

実はそろそろこの会社を2代目に引き継ごうと思っているのですよ。下地は充分にできましたから。あとは合併が私の仕事になります。
現在の世界的な不景気は予想していたことです。この困難な時期に、私は引継ぎを敢行している。部下たちには、自分たちでこの困難を乗り越えなさいと言っています。今までは私が敷いたレールを部下たちが走ってきただけ。今はそのレールが曲がってきているから、どうやってその曲がったレールを走り抜けるのか。社員一同が自分たちで考え、挑戦しています。

私は40年以上、このIT産業に携わってきましたが、これからが私の仕事の総仕上げです。その仕上げの準備のためのひとつがこの会社です。この会社はいろいろ形を変えて今後も成長していくでしょう。

地の利、時の利は皆に平等にくるものです。それを見間違いないようにすればいいのです。地の利、時の利を見極め、その利に乗ることが、ビジネスを成功させる秘訣です。利を見極めるためには、経験と知識と勘が必要です。
「運も実力のうち」という言葉は間違い。「運そのものが実力」なのです。運が実力のすべてです。実力のある人は運をつかみ、その運を最大限に利用することができます。運以外に実力はないと、私は60年生きてきて確信しています。
真面目に努力している人にしか運はやってこないと言われますが、運は皆に平等にきているのです。ただそれを見逃し、つかめていない人が多いだけ。
経験を積み、知識を富ませ、勘、つまりビジネスセンスを磨いてください。そして、地の利、時の利をじっくりと見極めて欲しいと思います。