株式会社キャリーナ

弊社の主な事業は、「キャリーナハーツ」という、仕事と子育ての両立を目指す女性（キャリーナ）を応援するコミュニティサイトの企画及び運営です。
女性の悩みというのはライフステージによって大きく変わります。従って「キャリーナハーツ」では、妊娠中の方は[プレママキャリーナ]、子供が小学生以上のママは[プロママキャリーナ]というふうにユーザーを５つのタイプに分けています。また、掲示板を『キャリーナ別掲示板』と『カテゴリー別掲示板』で分類し、ユーザーの方が自分に合った情報を共有しやすいように工夫しています。
（※編集部注：2008年4月3日に、6つ目のタイプである、仕事と子育てを両立したい女性を応援する男性(キャリータ)が新登場しました。）

そして、投稿などでサイトに参加することによって、「オレイズ（=お礼の複数形の造語）」というポイントを付与し、付与されたポイントのランキングやポイント数に応じた商品の交換ができるなどのサービスをご提供しています。
また、「知っ得情報」というコンテンツでは、女性の活躍を推進する企業に限定して、その企業の新製品や仕事と子育ての両立支援の取組みをご紹介しています。

弊社では積極的なＰＲ活動は行なっていないにも関わらず、口コミでサイトに共感してくれる多くの方々が会員になってくださっています。女性に優しい企業に限定した広告や、オレイズで交換できる商品には一つ一つ口コミ機能が付いているので、商品のＰＲなどによる掲載料も、今後はひとつのビジネスモデルとなると考えています。

私は2006年まで、ベンチャーキャピタルに在籍しており、主に海外の企業に投資をして日本での事業展開をサポートする仕事を担当していました。その後、2007年にドイツ人の夫と結婚し、子育てしながら働ける会社を探したのですが、そういった会社が見つかりませんでした。面接でその類の質問をすると不採用になるという現実にも、衝撃を受けました。だったら自分で女性に優しい企業のデータベースを作ってみよう。そう思ったのが起業のきっかけです。そしてもうひとつ、女性を応援する企業を世の中に知らしめることで、社会全体を女性が働きやすい環境に変えていけるのでは、という強い思いがありました。

起業するにあたって、まずは簡単な掲示板を作り、同様の思いをしている女性がどれくらいいるかを探ってみることにしました。すると、２ヶ月くらいで一気に口コミで300人くらいに広がり、これはいけるという確信を得たのです。その後は、掲示板をもとに徐々にビジネスのベースに乗せていきながら、現在の形にまで展開してまいりました。

立ち上げ時は、頼る人も知識もほとんどありませんでしたが、私の場合は自分の熱い思いが最初にあったので、大変さより楽しい気持のほうが大きかったのです。「キャリーナ」という言葉もキャリアから派生した造語ですが、そういうネーミングも自分で考えて多くの方に知ってもらえる喜びがありました。ユーザーの方も応援してくれる人が非常に多く、そういう方の書き込みを見ると、自然にがんばろうという気持ちがわいてきます。ユーザーの方がいなければこのサイトはここまで続けられなかったと思います。

女性を応援するコミュティサイトでは、楽しさだけでも悩みの共有だけでもだめで、共感し合うということが非常に重要だと感じています。弊社のサイトでは、掲示板だけでなく、直接メールで相談するユーザーの方も多く、産みたくても産めない、働きたくても働けない、という方が本当に多いことを日々実感しています。

これまでの仕事と子育ての両立支援というマーケットは、ワーキングマザーの皆さんが自分たちと同じ思いの人たちを集めて、お互いに慰め合うというところで終わっていたように思います。しかし、本当に両立したい人の悩みが解決されるには、社会全体の協力が不可欠です。
だからこそ、今は子供はいませんが、私のような存在がそのマーケットに参入することでビジネスとして成立できるということを証明し、起爆剤となれたらいいと本当に思うのです。そうすることで、参入したり協力してくれる企業がどんどん増えて、結果として子供を産んだり育てたりすることを、喜びとして感じられる社会が生まれるのではないでしょうか。

そのためには、今後も女性に優しい企業のデータベースをもっと増やしていきたいと考えています。これまではユーザーの方に支えられ、協力していただくことのほうが多いと感じていましたが、最近ではサイトを訪れるのが本当に楽しくなってきたという声を多くいただくようになりました。こういった声を糧として、これからはもっとマーケティング活動に注力し、キャリーナハーツをどんどん広げていきたいと考えています。

今後も人に喜んでもらえることをビジネスとしてずっと続けていきたいですね。人に喜ばれること、それが私のビジネスにおけるモチベーションです。ただ、一方で子供がとても欲しいのです。今は仕事が忙しくて少し遠ざかってはいますが、授かることでまた新たに伝えたいことが生まれるはず。それを伝えていけるようになりたいと思っています。
少子化といわれる現代、子供を生むことの啓蒙活動ではないですが、私が活動することで第3次ベビーブームが作れたらすごいですね（笑）。今は本当に、第2次ベビーブームの人たちが子供を生むことが、社会にとって非常に重要な課題となっているのです。

夫が外国人ということもあり、何度か海外に出たことで、私はとても日本が好きになりました。だからこそ日本の将来がよくなって欲しいと強く思うのです。これからも自分が身近に感じられる問題があれば、積極的に関わっていきたいと考えています。