株式会社メディオテック

実は前にいた会社が倒産をして社長が夜逃げをしてしまいまして、私ともう１人の役員とで清算をせざるを得なくなり、結局借金を背負ってしまいました。普通のサラーリーマンでは返せない金額だったので、それじゃ何かやろうと思って２人で作ったのがこの会社です。
そこでまず手がけようとしたのが携帯電話の販売だったのですが、パートナーが脱落してしまい１人になってしまったうえに、当時お金がなく携帯の１次代理店の権利が取れない。そこでＫＤＤＩ系の東京デジタルフォン（現ウィルコム）なら１次代理店の権利が取れるというので、権利を貰って吉祥寺に店を出しＰＨＳの販売を始めました。これがスタートですね。そうしているうちに同業者社長から「スカイパーフェクトＴＶの工事をやらないか」と声を掛けられ、私は電気科の出身ななので簡単な取り付け工事ぐらいはできたので
、二つ返事で引き受けました。　
しかしちゃんとした技術があるわけではないし、いずれ仕事はなくなっていきます。技術の蓄積が必要であると感じ、店番をしながら「何か家電製品に関する取り付け工事の御用はございませんか」と家電量販店に電話を掛け捲りました。そこで唯一１つだけ会ってもいいよ、といって頂いたのが、今も大きな取引先になっている企業です。パラボラアンテナの取り付けから、オーディオ製品の設置など何でもやりました。

簡単に言えば電気工事店です。我々は電気工事店としては後発組なので、街の電気店と同じことをやっていては優位につけない。そこで逆のことをやろうと思い、まず電話の応対をしっかりやり、工事報告書などの書類も手書きを止め、ちゃんとしたものをつくりました。それをやっていけば目立って来るはずだし工事量も増えてくると計算をしました。事実そうなっていったわけですが、何も知らない素人だからそんな発想ができたんでしょうね。

量販店さん相手の仕事、つまりＢｔｏＢの仕事というのは、力関係で言えば、売った方が強く工事や設置業者の立場は弱い。クレームなどしょっちゅうで、その度ごとにお客さんのところへ誤りに行くわけですが、仕事を相手に依存しているということは、いつ相手から取引停止を受けるかわからない恐怖があるわけです。その恐怖から逃れるためには、自社の力でなんとか一般のお客さんを獲得し、自社で施工するようにしなければならない。そこで始めたのがネットを使った「棟梁．ｃｏｍ」サイトだったわけです。もちろん仕事をしていく上で緊張感は絶対に必要です。しかしそれだけだと会社は成長できないので、自分たちでアイデアを出し消費者と直接取引できるシステムをつくっていったわけです。いまこのサイトを通じてのＢｔｏＣビジネスを伸ばしたいと思い、東京都内専門のテレビアンテナ取り付け工事用の「工事９１９（クイック）．ｃｏｍ」、さらにオール電化、ソーラー発電工事などの専門サイトへと広げていきたいと思っています。

時期は明言できませんが上場も視野にはいれています。電球１個の取り付けから始まって家まわりのすべてのサービスを提供できるようになるのが弊社の目標です。高齢化が進んでいくと本当に電球１つの取替えさえニーズとして増えてくるはずです。そして最終的には家１戸建てられるような状態にもっていきたいと考えています。そのような方向の中で、信頼性は重要だと考えています。