株式会社和み

　弊社の事業を一言で申しますと、紅茶・中国茶・日本茶・ハーブティーなどの茶類とコーヒーを、オーガニックとフェアトレードに特化し、輸入・製造・開発・卸売り・小売業という４部門にわたって、自社でワンストップサービスとして行なっています。また、製造企画としてＯＥＭでの商品開発や卸もしております。

　現在２つの自社リテールブランドをもって店舗展開をしており、商材はお茶からジャム・蜂蜜といったティータイムの延長線上にあるものから、少しずつ食の商材に向かっています。今は無添加のスープやスパイス、リビング雑貨、そしてカップやスプーンなどのテーブルウエアをどんどん増やしていこうという状況です。中でもテーブルウエアは、自社ブランドでの今年（2008年）の発売を目指して、窯元と一緒に開発しているところです。　

　商品については、オーガニックやエコにこだわっており、できる限り自然農法や産地の明らかな食材を使っています。また、通販では物流上耐えられない商品の発売は難しいのですが、ブライダルギフトの需要も多いので、ティーポットとカップにオーガニックのお茶のセットなど、今後は陶器も積極的に扱っていきたいと思っています。

　また、テレビ通販で一番人気のあるオーガニックティーのローズヒップブレンドが一番人気です。私自身も美容と健康のために飲んでいますよ。いわゆるローズヒップだけのお茶ではなく、ローズヒップを自社独自のブレンドで加工しており、たんぱく質を摂取する前後１時間以内に飲むと体内でコラーゲンを生成してくれるというお茶なのです。　

　弊社のローズヒップブレンドと他社との違いは３つあります。
　１つはすべての原料がオーガニックであること。素材が安全で高品質であることの裏づけです。
　２つめが、原料を弊社の契約栽培及び管理栽培の農地で作っており、お茶でありながら栄養成分がすべて均質化できているという点です。ビタミンもミネラルもカルシウムも牛乳の約10倍入っているお茶を、安定的に飲料として摂取できるわけです。
　３つめ、安全な原料が管理栽培できちんと作られているからこそおいしいということです。弊社の商品はすべておいしさの中に安全が当たり前にある、その上でどう飲みやすいか、手軽に淹れていただけるか、どんなカップに入れたらさらにおいしく飲んでいただけるかを考えています。

基本的に雑貨から身の周りのもの、テーブルウエアからランチョン周りやシルバーなど、だんだん大きい商品へ展開していこうと思います。人の周りにあるもの、生きるために必要なものが「衣食住」だと思っています。今後はそれらを全部展開していきたいですね。

　「衣」の部分についても、すでにいくつか過去事例があり、ＯＥＭも行っています。ブライダルニーズもありますし、ベビー用品では横浜市マタニティーコンサートに、メーカーとしてオーガニックコットンのタオルやギフトセットなどを出品させていただきました。そこから派生してベビー服やお母様と赤ちゃんが着るウエアを展開することはそんなに難しいことではないと思っています。 「衣」の商品についても、全ての事業の軸となる、無添加で環境や肌にやさしく着心地がいいものご提供していく、という考え方はもちろん踏襲していきます。

　もともと独立しようと思っていたわけではありませんでした。ですが、11年間の社会人経験の中で、自分が勤めていた会社や事業、製品に対して、自分が求めるものとのギャップを感じていたことが、起業しようとした契機でした。

　私はユナイテッドスティールという外資系の会社に勤めておりました。その会社は、今はユニマットグループになりましたが、国内において飲料を仕入れて直接販売をすることでは最大手だったのです。そこでの仕事を通じ、製品や工場、原産地や販売システムを含めて、私自身がきちんと自信をもって納得いく商品を、お客様に正しい情報開示をして売っていきたいと思うようになったのです。

　私が創業した頃の世の中は、食品の偽装も今ほど公になっていませんでした。たとえば、産地が不明確な商品が販売されていましたし、普通の緑茶にも添加物がたくさん入っていました。そういう情報をお客様が知らないことに、私は疑問を持っていたのです。添加物が悪いというより、これからの時代は、添加物が入っているのか無添加なのか、国産か外国産かなどの情報をきちんと開示し、消費者に選んでいただくことが必要だと思っていたのです。
　自分が子供を生んでからは、子供にとって口に入るものがいかに体に大きく影響するかということを、ますます考えるようになりましたね。ですから、自分がきちんと納得したものを作るためにも、独立しようという思いが日増しに強くなっていったのです。

　弊社はいかにお客さまのお役に立てるかという軸足の中で、そのツールとしてお茶を初めとするさまざまな商品を販売しております。弊社でご提供する商品は、体や地球環境に優しいということが必然だと思っています。その上でおいしさや着心地のよさ、使い易さをメーカーの努力と技術で実現するという考え方を、強く伝えていきたいと考えています。

　現在、店舗が７つあり、中期計画では毎年10店舗ずつぐらい増やそうと考えています。3年後の2011年には30店舗に拡大する予定ですが、その中で衣食住というトータルのテーマをもたせた大きいコンセプトショップを打ち出そうという計画を進めています。
　上場はいまのところは考えていません。それは手段の一つであり、視野には入っていますが必然ではないと思っています。社員数は1年後に80名目標で、3年後は3倍として250名を目指しています。

　オードリー・ヘップバーンのように、自分の培った経験や知識を、国内外の経営者を目指す若い女性など、次の世代の人たちに伝えていきたいと思っています。現在では「日本ティーコンシェルジュ協会」を立ち上げ、スクールを作っています。これは教育事業の皮切りでもあり、将来的には、弊社の教育事業の軸足にしようと考えています。企業は「人」が重要です。「人」が仕事も企業も世界も創っていくわけですよね。その「人」を育てていく教育事業は、個人的にも社会的にも重要だと思っているのです。

　また同時に、経営者として考えていることは従業員を大切にする会社でありたいと考えます。事業規模の拡大だけを追ったり利益追求だけに振り回されたりすることなく、長く存続し続ける一流の会社にしたいですね。弊社はもともと福利厚生に関しては充実していますが、それ以外にも、人間関係や仕事そのものの面白さを作っていくフィールドを形成していきたいと思います。