エクスネット株式会社

弊社はセキュリティー診断のためのサービスである「ペネトレーション」を主力とし、それに付随したセキュリティーを強化するための製品を販売しています。「うちの情報は漏えいしないの？」「セキュリティー守られているの？」「ウェブサイトは安全だろうか」といった企業様のセキュリティー関連の不安をウェブの脆弱性判断を使って解消するためのソリューションがペネトレーションです。

脆弱性判断というのは、実際にハッカーと同じような疑似テストを行いウェブサイトの穴を見つけ、発見された問題個所に関するレポートを作成してお客様にご提出するというものです。定期的な診断を為さるお客様もいますが、多くはサイト開発の段階で自分のサイトがきっちり守られているかの診断やサイトリニューアル時に安全確認に利用して頂いています。また、実際に自社サイトをハッキングされた経験をお持ちのお客様も多いです。

ペネトレーションはサイトの規模やページ数にもよりますが、100万円くらいから提供しております。やはりセキュリティにこれほどの費用をかけられるのは大企業様になってしまいますが、この価格は通常のセキュリティー診断の3分の1ほどなのです。弊社は中国にも社員を抱えているので、ハッキングからレポート作成までをそちらで行うことで人件費を抑えているため低価格でサービスをご提供することが可能となっています。

2007年12月現在までで合計４〜５０サイト程にペネトレーションをご利用いただいております。ほとんど一部上場の大手さんですが、まだまだセキュリティーへの関心が十分だとは言えません。セキュリティーに穴があることで多大な損失を被っている実例はたくさんありますので、そのことをセミナーを通じて多くの企業様へ啓蒙している段階です。

セキュリティー保護の製品「DeviceWall」は2007年末から販売しました。これはイギリスのソフトウェアで、情報漏えいをブロックするために非常に有効なソリューションです。エンドポイントでの情報漏えいを制御するソフトですので、例えばUSBなどの小型データ記憶装置で容易にデータを盗むことを防ぐことができます。日本でも同様のソフトはありますが、機能が多すぎて使いづらいものです。一方、DeviceWallはとてもシンプルで低価格なので使いやすいと思います。また、アメリカで開発されたネットワークの監視ソフトも販売しています。

日本でISMS（情報セキュリティーマネジメントシステム）という認証が5年前にスタートし、その３か月後に当社が起業しました。元々は今のようにセキュリティー関係の製品を販売せずに、セキュリティーのコンサル会社から始めたのですが、そこから上流のSecurity Method Suite（SMS）という認証の取得や運用するためのツールが無かったのでそれを開発したのが現在の製品・サービスに繋がっています。そして最近では、セキュリティーも上流から中流に移り変わってきています。マネジメント周りから実装に移り、そしてセキュリティーの運用の段階に入っています。我々の主力製品もこの流れに合わせて変わってきています。

でも、今のビジネスの一番最初のきっかけはお客様から「ISMSって何？」と聞かれた時に私も知らなかったので調べたてみたら面白かったことなんです。こんなに大変で、尚且つセキュリティーを守るには非常に有効な手段があるのかと驚きました。それからセキュリティーにハマってしまい、いずれは日本企業もセキュリティーを重要視せざるを得ない時がくると予感したので起業に至りました。
最初の２年くらいは日本企業にセキュリティーへの関心がほとんど無かったので、お金を出してまでうちのサービスを使ってもらえなかったのでとても苦労しました。しかし３年目以降はISMSへの関心が高まりと共に、情報漏えいやハッキングといったセキュリティー被害も後押しましてお金をかけてセキュリティーを強化する企業が増えてきたので事業も安定してきました。

08年7月にリリースしました、「ログ解析サービス（LCAS）」は、日本初・業界初の試みです。いわゆるログ解析サービスは世の中にたくさんありますが、弊社は実際に事故が起こった際の具体的な解決策を施行するのが特徴です。
実際に、情報流出といった事故が起こり、原因追及しようとするとある会社では半年かかってしまった。。という事もありますし、結果最終的には社員1人1人へのインタビューという非常に非効率的な方法に頼らざるを得ないのが現状です。今まで泣き寝入りを強いられてきた企業様にとっては、願ってもないサービスになるでしょう。
現在数社のテストを受けている状況で、トライアルのお客様を対象にノウハウは現在蓄積中で、弊社の今までのセキュリティノウハウ・技術力を駆使し、より充実したサービスにしていくつもりです。
今後IDカードの紛失から顧客情報漏洩まで様々な問題・事故に対してソリューションを提供することができるでしょう。今期はこのサービス立ち上げに注力する予定です。

世の中の役に立たつ「存在意義」のある会社にしていきたいと考えています。今でも企業向けのセキュリティーを販売することで、当社が役に立っていると言うことはできます。例えば、ウェブのハッキングをされないように守ったり情報漏えいを阻止したりなどの役には立っているでしょう。しかし、これは単なるモノを売ってサービスを提供しているだけとも言えます。私はそれだけでなく、セキュリティー関連のノウハウを蓄積し多くのお客様に信頼される会社にしたいと思っています。時間と機会さえあれば、これまでのノウハウを最大限発揮してパッケージを作ったり独自のメソドロジーを構築したりもしたいですね。