メキキ・クリエイツ株式会社

単なる特許申請の代行に留まらず、特許申請の前段階で、「こんなことをやりたい!」という熱い思いを持っている方のアイディアを形にすることが仕事です。

皆さんの中でも、ふとしたときにユニークなモノやサービスを思いつかれて、「これで特許がとれるのでは？」とお考えになる方がいらっしゃるかと思います。しかし、実際にそれが世の中で唯一無二のものなのか、どうやったら実現できるかなど、分からないことがたくさんあるかと思います。

我々の仕事は、このように「まだイメージが固まっておらず、唯一無二のものなのかどうかも不明だけれど、形にして特許をとりたい！」という熱い想いを持つ方に対し、まずブレーンストーミングを行ってそのもやもやした思いを形にし、ビジネスモデルを固めたうえで、特許を取得するお手伝いをすることです。これまでに行ったブレーンストーミングは７年間で１０００回以上。経験を通じて構造化したノウハウを持っています。

弊社にいらっしゃる方は主婦や学生など様々ですが、中小企業、ベンチャー企業の経営者の方にもよく御利用いただいています。弊社としても、これからの時代、中小企業・ベンチャー企業がアイディアを持って大企業と提携などの交渉に臨むときには、特許が必須だと思っているので、積極的にお手伝いしています。なぜなら、特許を固めておかなければ大企業にアイディアだけとられてしまう可能性がありますし、事業立ち上げ当初の大変な部分だけ担当させられ、『ノウハウ提供が完了したら契約終了』という事態があり得るからです。そのようなときに、知的財産を守るために、特許を持っていることは重要です。

そうですね。形のないビジネスモデルの特許取得に関しても、積極的に取得をサポートしています。

現在１００件ほどの案件を扱っており、ほとんどが受託開発です。入り口は特許の相談からが多く、皆さんまず自分の思いが特許になるかどうかを確認しに来られるんです。そのまま特許になるものは特許事務所へ引き継ぎますし、そうでないものは開発のお手伝いをして、希望があれば特許として申請できるようにするのがわれわれの役割です。開発に当たっては、弁理士だけでなく調査のプロやＳＥなど様々な専門家が参加して、三段階のブレーンストーミングを行います。思いを形にする段階、それをビジネスモデルにする段階、そして特許化する段階ですね。

一般的なビジネスモデルの特許率、審査を受けた中でどれだけ特許が取れるかという割合は、現在８％くらい。特許事務所の場合、特許が取れて初めて報酬がもらえるので、手間のかかるビジネスモデル特許はあまりやりたがらない傾向があります。われわれは、開発から特許化までというところで積極的にお手伝いをさせていただいています。

あと、最近やっているのは商標関連の事業です。いわゆるＳＥＯ対策という観点からも、商標はこれからますます重要になると考えています。例えば、あるサイトでお客様を集められそうな商標を取ったら、他の同じ名前を使っているところに対しては警告を出すことができます。そうすることで、結果的に自分たちのサイトを上位に出すことができることにつながります。もちろん、入り口となるキーワードが多ければ多いほどアクセスを増やすことができるので、われわれは１つのサービスに対して、まず、様々な切り口を提案するコンサルティングを行います。これを商標ポートフォリオと呼んでいます。普通の特許事務所だと商標になるかならないかだけですが、ここでは、さらにビジネスモデルとしての観点からのアドバイスを行っているのです。

メキキクリエイトの事業全体の割合は特許のほうが大きいです。特許７割の商標３割というところでしょうか。商標は０７年から開始しており、あとは企業支援としての特許講座や、大学との共同取り組み事業などもやっています。今後は、著作権関係の事業なども視野に入れ、クリエーターの人が簡単に権利を守れるような仕組みづくりも考えているんです。

もともとは、現在代表の出口、相談役の石橋、もう一名の３人で、2000年に設立いたしました。当時はネットバブルのピークで、インターネットを使った新しいビジネスモデルに対する期待感が高まっている時期でした。ビジネスモデル特許の出願数がピークを迎えたのも、設立ととき同じく2000年のことでした。

私は大学卒業後に石橋弁理士事務所にお世話になった後、会社員を経て独立するとき、石橋に誘われてメキキ・クリエイツに入社しました。事業の話を聞いて、特許申請の前段階でアイディアを形にするのは面白いなと思ったのがきっかけです。

「可能性を秘めた中小・ベンチャー企業等の経営者の方がビジネスを成功するためのお手伝いをしたい。」そんな熱い思いがありました。

中小企業がいつでも利用できるような、商標ポートフォリオや著作権についてのノウハウを提供できるシステム、インフラを作ってゆきたいですね。そこを会員化して、まずは、特許事務所、弁理士、行政書士の方たちに使っていただき、さらにその先にいる中小企業やベンチャー企業に使ってもらうという形で広げてゆきたいと考えています。
３年後には、システムを、全国に支社を作るなどしながら、どこにいてもサービスが受けられるようにしたいと思っています。今後は海外でもサービスを提供できるようにしたいですね。アメリカで特許を取る場合、国内の特許事務所を通じてアメリカの特許事務所に出す形になるので、現状ではコストが倍かかります。それを一本化することで、コスト面だけでなく、海外での権利の活用までサポートできればと思っています。まずは自社のノウハウとして成功モデルを作ろうとしている段階です。

資源の少ないこの国で、中小企業・ベンチャー企業の額に汗してアイデアを練っている人達が報われなければ、日本の産業地盤は確固たるものにならないと考えています。その下支えとして、われわれは知財という観点から、皆さんの頭の中にある思いやアイディアを形にするお手伝いをしていきたいと考えています。