オウケイノーツ株式会社

「こころが繋がる感動空間をてのひらへ」をコーポレートメッセージとして、携帯電話に特化したワントゥワンのコミュニケーションサービスに関わる事業展開を行なっております。

具体的には携帯電話で恋愛相談できるサイト「みんなの恋愛相談」、同じく恋愛相談以外のQ&Aサイト「みんなのQ&A」、そして、占い師と直接電話相談ができる「みんなの電話占い」の運営です。また、企業様向けに占いのＡＳＰ事業も展開しています。

実は失恋したのが大きなきっかけです（笑）。現在親会社である「OKWave」というQ&Aサイトに、彼女の気持を聞いてみようと相談したところ、たくさんの人が書き込んでくれました。これはすごいと感動した経験をもとに、以前から携帯電話の事業を手がけていたので、携帯であればもっと早くリアルタイムに、当時流行っていた「電車男」のようなことができるのではないかと考えついたのが、「みんなの恋愛相談」というコンテンツです。

私にはもともと経営者志向があり、小学校のときから将来の夢は青年実業家、大学（青山学院大学）も経営学部を専攻しました。2000年にサイバーエージェントとオンザエッヂの初の子会社である「HOOPS」にディレクターとして参加したのが、インターネット業界に入った最初です。その会社は一年半後に楽天に売却され、楽天の三木谷社長に副社長を任命されたのが27才。早い段階からいろいろな経験をつませていただいたと思っています。その後「HOOPS」がインフォシークと統合したことで、もともと得意だったモバイル関連の部署の立ち上げにも関わりました。そして最終的には楽天のモバイル委員会の委員長に就任することになったのです。

30才の時に退社し、1年間オーストラリアに留学しました。その後は楽天には戻らず、昔から好きだったコナミ株式会社のオンラインカンパニーに所属することになりました。ここで初めての広告媒体となる｢クイズコナミリオン｣を立ち上げ、モバイルの3キャリア公式サイトのクイズカテゴリでNo1を獲得したのです。そして、冒頭申し上げた失恋を経て（笑）、起業に至りました。

「みんなの恋愛相談」というコンテンツを立ち上げた後、恋愛と占いは近い部分があると感じ、IT社長仲間に占い師さんを紹介してもらい、企業向けのASP事業を立ち上げました。現在もほかの事業についてのアイデアを出し続けている状況です。

これまでのモバイルコンテンツは、デジタルでベースを作りワントゥオールでユーザーに配信すれば企業が儲かる仕組みでした。しかし今は消費者も、ありふれたものは受け入れなくなってきています。
弊社では携帯を媒介としたワントゥワンで、人と話ができるアナログのコミュニケーションを大切にしています。中期的な戦略としても、今後インフラ提供事業としてこの部分を強化していきたいと考えています。占い師さんに使ってもらうだけではなく、他にも弁護士やお医者さんなどのコンサルティング業のインフラとして使っていただくこともイメージしています。

組織体制については、今のところ占いと恋愛を柱として少数精鋭で作り上げることが先決だと考えています。ただやみくもに人数を増やしたいという願望はあまりないですね。規模が大きければよいという時代はもはや昔の考え方になっていて、今はどれだけ効率的に一人の人間が幅広く仕事をできるのかが重要になってきていると思います。その中で一番大切なのが創造力。その部分が強い人間がいれば、ぜひ採用したいと考えています。
少人数で効率的に仕事をするノウハウは以前いた「HOOPS」で学ぶことができました。たった社員3人で50万人の会員をサポートするのに頭を使って、そこで思い付いたのがボランティアを募ってメーリングリストや掲示板を立ち上げることでした。結果的に彼らが有機的に活動することで、サイトの質もどんどん向上させることができました。
今後もユーザーの意見をどれだけ仕事に取り入れていくか、一方的な情報提供や押し付けではなく、ユーザーの声をどうやって活用できるかが今後のビジネスを左右すると考えています。

語弊があるかもしれませんが、実はビジネス自体にはあまり執着してはいません。それよりもむしろ恋愛がきちんとできる世の中にしていきたいという思いのほうが強いです。学校で恋愛は学べません。人間の成長過程の中で、恋愛の知識を学ぶことができないことが、昨今のさまざまな痛ましい事件の背景にあると私は考えています。
私としては恋愛をきちんと学べるような環境、たとえば学校などを立ち上げたいという夢があります。日本は経済活動を重視するあまり、何でもお金で解決してしまうという方向に行き過ぎているように思えてなりません。これはオーストラリアの留学経験からも強く感じたことです。当時はさまざまな国の人たちと一緒に住んでいましたが、どんな国の人も必ず日本製品を持っていて、彼らはその品質を非常に高く評価していました。しかし、それらを作り上げたのはすべて、私たちよりももっと前の世代の人たちです。今の私たちは、そういった素晴らしい製品を作り上げるよりも、お金を簡単に稼ぐ方法ばかりを探しているように思います。そんな時代だからこそ、人間の原点に戻って、恋愛の知識を学び、そこからきちんと家庭を築くことができるような社会にしたいと思っているのです。その一環として、たとえば恋愛カウンセラーの育成なども検討しています。

また社会貢献の一環として、母と子の健康と命を守る「ホワイトリボン運動」に参加しています。弊社運営サイト上で「ホワイトリボン運動」の紹介を行なっているほか、「みんなのＱ＆Ａ」「みんなの恋愛相談」では、自分の相談に回答を寄せてくれた人へのお礼として１件に対して１円、「みんなの電話占い」では、ご利用時間１分に対して１円をジョイセフへ寄付させていただいています。
弊社のサービスを使う方が、「ありがとう」といえる人になってほしいという思いを込めて、また、他国の人たちに寄付する行為に対してちょっと別の形で幸せな気持になっていただきたいという思いをこめて、こういった運動にも参加させていただくことにしました。

こういった活動に賛同してくれる人がこれからどんどん増えていくように、恋愛相談といえばオウケイノーツといわれるような企業になりたいというのが、今後の事業にかける強い思いなのです。