株式会社マジカルポケット

当社は大きく分けて2つの事業を展開しております。
一つはIRサポート事業です。これは上場企業のIR資料作成や印刷、IRサイトの作成等、IR業務に関わる事業を総合的にご支援するサービスです。年4度ある決算時にどうしても手間と時間を割かなければならないIR資料。その作成をお手伝いすることで、企業の負担を減らしていきます。また、情報管理もしっかりと行っておりますので、安心してご利用いただけるサービスとなっております。IR広告やアンケート解析など、機関、個人投資家に対するIRマーケティングのサポートも行っております。企業と投資家の間で、情報の公平性を保ち、投資家の方々に十分な投資判断情報を開示するためのツールを提供しています。
二つ目はメディア事業です。こちらの事業では、主に「カブクン」という株式投資関係の情報サイトの運営をしております。特にベンチャー企業に対して、IR情報の開示と社長インタビューによる事業PRの機会を提供させていただいており、企業のIR活動の一環としてご利用いただいております。

IR業界で起業をしようと決めた理由はいくつかあります。起業時にそれほど資金を必要としないこと、将来的に成長する展望のもてる分野であること、世界的に展開できる事業であること、等がその主な理由です。IRはマクロの視点で行う必要があり、日本国内のみならず、アジアマーケット全体を視野に入れて行わなければなりません。つまり、フィールドが大きく、成長と世界的な展開を見込める事業なのです。

他の理由としては、将来の生活への不安から「自分の金は自分で管理する」という個人資産運用の時代ができつつあることが挙げられます。その流れから、今後は「投資」への注目が集まることは間違いありません。

そのような好条件がそろっているにも関わらず、IR事業がこれまで日本で発展してきていないことを知ったのでこの事業を始めようと思いました。

クシィーの笠原社長と一緒に働かせていただき、ベンチャーって面白そうだなと思い始めました。その後、大学を卒業してから4カ月間留学して、帰ってきてから半年ぶらぶらしていたところ、普通の就職ができる見込みがなくなってしまったんですね。結局、あまり魅力的な就職先が見つけられなかったので、それならば自分で自分のやりたいことをやろうと思ったんです。留学経験を経て、物事をグローバル標準で考えていたこと、最近の日本企業が世界規模で活躍していないという風に感じていたことも、起業を決断する理由になりましたね。世界に通じるビジネスをやりたいという想いは非常に強く持っています。

ウェブ系のサービスではXBRL（eXtensible Business Reporting Language）と呼ばれる、XMLのビジネス版の仕様が注目されています。すでに東証は、この仕様を来年から使い始めると発表しています。XBRLが企業の財務情報の標準データ形式として普及すれば、企業、会計士、官庁、投資家、市場など関係者間での財務・会計情報の流通が円滑に進むことが期待されるので、それに合わせてIRの仕様も変えてサービスを提供していく必要があります。

IRサービスを扱っている企業は数人で働いている小企業ばかりで、IRをトータルにサポートする会社はまだ存在していません。ですので、最終的にはIRのサービスをトータルで提供できる会社になりたい。そのため、ウェブからコンサルティングまで、新しいサービスを次々に考えて商品化していきたいと思います。

マクロ的にはアジアへの展開を目指していますが、ミクロ的な視点では1年後もどうなるか予想できません。ですから、良い人をどんどん雇い、新しいビジネスを生み出していきたいですね。私の役目は優秀な人を雇い、その人達の能力をフルに発揮させられる場を提供することだけです。

お客様が自然とマーケットを引っ張ってくれますし、お客様がトレンドを作りだしてくれます。お客さまありきの事業なので、顧客ニーズを敏感に察知し、それらを汲み上げながら新しいサービスを商品化していければいいと思います。

IRの分野で国内No1というと大げさですが、それくらいのレベルで認知される企業になりたいと思っています。事業を始めてからの3年間で、特に大手企業のフィールドを開拓してきました。提案できるサービスのレベルや財務の部分では挑戦権を得られただろうと思います。

また、世界中の金融情報を取り扱っているブルームバーグ社と提携し、一緒にサービスを作ったりもできているので、海外に対しても挑戦できるインフラが整ってきたと思います。

先ほども申し上げたとおり、これは起業当時からの想いなのですが、海外でビジネスをしていこうと思っています。最近ではもともと日本の中心産業であった製造業がかなり成熟してきています。今後は従来の産業のみに頼ることはできません。代わりに、ノウハウやファイナンス系の産業に頼らなければいけないのです。

それらのフィールドでは、国内でのビジネスだけで満足せず、視野をアジアに向けなければなりません。日本人のお金がアジアへ投資され、そこで事業体が作られ、日本へキャッシュバックされる。そして、IRを通して日本がアジアの中でリーダーシップを発揮していく。そうならなければいけないのではないでしょうか。実際に、香港に上場している会社が日本に資金調達しに来たりもしているので、そういった分野の支援もしていきたいと思います。

社長の事業に懸ける想いを教えてください
日本人として生まれたからには日本のために働きたいです。日本の国富だけを奪い合うのではなく、マーケットを広げ、日本を世界の中の1つの国と位置づけてビジネスを行っていきたいと考えています。

マジカルポケットは自分の子供のような存在です。それほど愛着があるし想い入れもあります。ですから、社員を含め私と関わってくれる人達全てが幸せになれば言うことはありません。最近は個人の利益ばかりを追求している会社が多いですが、そういった社会って何か悲しいですよね。私には「勝てば官軍」のロジックが理解できません。皆が幸せになっていくことがベストだと思います。今の産業界では本当に「搾取ビジネス」が多いですが、そうではなく、人々に何かを分け与えられるようなビジネスをしたいと考えています。

どのようなビジネスを行うか迷ったときは、大義名分が立つ方の道を追求していきたいと思っています。国内市場はすでに成熟しきってしまい、ほとんどの分野で大義名分が成り立たないと思うんです。だからアジア規模で、市場をマクロな視点で見られればいいと思っているし、そう行動し続けたいですね。