東京ドリームワークス株式会社

コンテンツブラウザ「LOOKPORT」の提案を行っています。LOOKPORTは誰にでも安心して簡単に操作していただける情報端末です。特徴は操作が簡単、利用できるファイルの充実、そして安全性です。操作は家電機器のように高齢者やパソコンを全く分からない人でも使えるようなインターフェースを使用しており、画面に現れる絵文字アイコンをタッチするだけでファイルを開いたり、データーを扱うことができるようになっています。また、ワードやパワーポイントなどの通常使うアプリケーション全てに対応しています。パソコンが全く駄目な人でも簡単に扱えますし、素早い起動でファイルを表示することができます。そして、ウィルスに感染する危険性もありません。パソコン利用者でもウィルス対策への手間やどのようにウィルス感染を防ぐかが分からない人もいると思いますが、LOOKPORTではそのような作業は一切必要ありません。

起業する前は、NECで通信分野の開発専門の仕事をしていました。NTT向けの通信装置を回路図の作成から全てを扱っていました。それを２０年ほどやったのちアメリカに出向したのですが、その時に気づいたのが、大企業向けに開発している技術がお得意様向けの商品だけに限定されていることが非常にもったいないなということです。一般ユーザー向けに変えればいいものがたくさんあるのに、そうしないのですから。

帰国後、私は自主開発したい商品を部下の一人に作るよう指示しました。それが社内で高い評価を得ました。その時期から自主的にチャレンジする気持ちが高まってきて、部長になった時に当時の郵政省に超高速通信の啓発・普及に最適なアプリケーションの提案を行いました。超高速通信がその能力を最も活かせるのは映像の送受信との信念から、電子水族館を提案しました。例えば，高さ３ｍ横幅１５ｍスクリーンに実物大のジンベイザメを映す情報の伝送です。その後、ここで用いた技術を基にコンシューマー向けに開発し発売したのが「魚八景」です。ハイビジョンを利用した映像水槽で、１５０万円程しましたがこれが結構売れました。
この功績が評価され、静岡NECに出向になりました。自主事業を立ち上げて戻った折に、次に思いついたアイデアがメディアリテラシーの低い消費者向けのパソコンの開発でした。NECは当時の国内パソコンシェアは８割を超え、日本のパソコン文化を作った企業のひとつです。しかし一方で、残念ながらパソコンの機能を享受できない人ができてしまったのです。そういった人達が情報から隔離されないようにすることもメーカーの責任です。そのための新しい端末を開発している途中で定年を迎えてしまいました。関連会社に行くか辞めるかという選択を迫られ結局は自分で研究を続けることを選びました。ハードを作るにはかなりの資本力が必要ですが、アイデアは絶対に受け入れられると思ったのですぐに東京ドリームワークスを立ち上げました。

商品をエンドユーザーに認知させることが目標です。パソコン以外のソリューションがあるということをまずは社会に認知してもらう。使う機能が決まっている人やパソコンの知識がない人でも使いやすいものがあるということを売りにして消費者に知っていただけるプロモーションをしていきたいのです。

また、売上が上がれば人を順次増やしていこうと考えています。一般的に製造業では多大な先行投資が必要なので事業が立ち上がる前に人手を増やすことは考えていません。人を先に入れても事業が立ち上がらないと意味がありません。さらに、パソコンとは異なる簡単操作の情報機器の需要は日本だけでなく世界中にあります。いずれ世界標準として海外進出も考えられます。

人の能力を最大限に活かすことをいつも心に留めています。大企業ではトップの人が闘志に燃えているのにもかかわらず組織の末端にはそれが全く伝わっていないことが良くあります。全社一丸と言ってしまうと変な意味ですが、なぜ自社が存在するのかという「存在理由」をしっかり伝え，共有していくことが必要だと思います。

また、世間にwinを与えることを意識していきたいです。よく巷ではwin winの関係が大事だと言いますが、実際はお客良し、企業良し、世間良しの三方良しにならなければなりません。お客と企業のメリットだけを求めるのであれば、談合だってwin winの関係になります。だからそれに加えて「世間」の視点が入ってくることが大事になってきます。近江商人の言う三方のwinが必要で、公序良俗に反してはならないと考えております。