生命保険、損害保険、各種金融サービスのコンサルティングを中心に幅広い事業を展開する、株式会社E.FCA 代表取締役 高津 嘉邦氏にお話を伺いました。(取材日:2008-01-29/聞き手:大口 顕典)
事業の軸は、保険代理店業務と、モーゲージ株式会社の住宅ローンの取扱い代理店業務です。弊社では単なる保険の販売だけでなく、フィナンシャルプランナーのように資産運用に携わるすべてを扱っております。弊社には元証券会社のスタッフもおり、住宅ローンに始まって不動産・保険・証券など、総合的にバランスのよい資産運用のアドバイスを行なっています。他社との差別化という点では、これまでの保険業界のやり方にとらわれず、保険を事業としてとらえ、ひとつひとつの仕組みを大切に考えている点です。たとえば、保険を販売するのに優秀な営業マンを雇ってその人の販売力に依存する、というのではなく、スタッフそれぞれの能力に合わせた仕組みを会社が用意しているのです。つまり、事務が得意なら保険事務を任せる、ルートセールスができるならそれを中心に担当してもらうという仕組みです。現在、保険や資産運用のご相談をお受けする「E.Shop(イーショップ)」「E.Salon(イーサロン)」という店舗を展開しています。この店舗も従来にはなかったプル型の事業モデルとして、新たな形を追求する事業になっています。
できるだけ個人の営業力に依存しないような会社を目指していますので、人材の登用についてもスキルよりも熱意、一緒に会社を大きくしていこうという気持を大切にしています。保険業界は非常に厳しい世界です。この業界で何年も仕事をしているうちに、お客様を大切にするのはもちろんですが、経営者としてスタッフも大切にしていかなければならないという気持が強くなりました。たとえば社員教育においても、100万円の契約を取るためではなく、一人の社会人としてのお客様との付き合い方や、コンプライアンスを遵守する姿勢、そういった部分に力を入れていきたいという思いが非常に大きくあります。 保険業界で10年以上仕事を続ける人はごく一部だといわれています。保険業界できちんと稼いでいくことのできるスーパー営業マンは100人に1人くらいです。保険業は儲かるといわれながら、ネットワークビジネスと同じように、成功するのはごく一部というのが現実です。弊社では個々人の能力に依存しないことで、むしろ個々人の適性を見極めて活用し、最大の成果をあげるような会社にしていきたいと考えているのです。
私は前職で、アリコジャパンに3年ほど在籍し、保険代理店の立ち上げや保険販売のビジネスモデルの提案など、商品を売ってもらうための支援を行なう業務を担当していました。そもそも保険業界を就職先として選んだのは、自分に与えられるフィールドの中で、一番厳しい業界に飛び込みたかったからです。小学生の頃から、何か目標を定めて、一気にがんばって働くという姿勢がとても好きだったのです。前職では、会社に不満はなく給料もよかったのですが、いわゆるデベロッパー業務ですので、お客様とダイレクトにお会いすることもなく、自分が販売するわけでもない。かといってメーカーでもないという立場にもどかしさを感じるようになったのが、独立しようと思ったひとつの理由です。給与形態や昇進などの点で将来の姿が見えてしまっていることに、仕事への熱意が冷めてしまったという理由もありました。起業するにあたっては、時期尚早かもしれないという思いはあったものの、やはり自分の思うように保険業界を変えていきたいという気持が、起業を決意する大きな理由であったのは間違いありません。現状の保険業界の慣習にとらわれず、新しいビジネスモデルを作りたい。いわゆる保険代理店で人を募集し、契約を取れる人間を作るのではなく、ひとつの事業として体制やスタッフ教育を仕組み化する会社を作りたいと思ったのです。
私がするべき仕事は、まずひとつは優秀な人間を育てていくことです。それは保険の募集人として高いパフォーマンスができる人間ではなく、事務を含めたいろいろなプロを育てていくということ。そしてもうひとつの仕事は、現在おつきあいのあるオーナー様から、新たに保険事業に参画したいというご相談を多く受けていますので、そういった保険に関する事業モデルを作って差し上げることだと考えています。今後、弊社が成長する中で一番のキーとなるのは、手と手を取り合うパートナーのオーナー様を全国各地に作っていくこと。各オーナー様がそれぞれの得意分野を分け合いながら、大きな組織を構築していきたいと考えています。現在保険業界でシェアを独占している流通業者はまだいないので、チャンスはあると思うのです。そのチャンスを自社だけでつかむのではなく、たくさんのオーナー様と一緒に構築していく。それが私の最大のテーマですね。ひとつのブランドをオーナー様たち皆で共有しあい、実務的な部分や流れを弊社が段取りして、ブランドそのものを大きくしていく。現在も「E.Shop」や「E.Salon」として店舗展開を行なっていますが、それは暫定的なビジネスモデルです。ひとつの保険ブランドのショップやサロンを作っていき、地域ごとにオーナー様とパートナーシップを組んで店舗展開していくことが、弊社の目指している事業形態です。2008年度中には直営店で10店舗、オーナー様とのパートナーシップを組んだ店舗は1年に5店舗くらいをめどに、早い段階で50店舗くらいにもっていきたいと考えています。
3〜5年後までには、上場するかしないかの選択肢を持てるようにしたいと考えています。そして早い段階で100億円企業にしたいですね。現在売上は毎年ゼロがひとつずつ増えているような状況です。弊社は5月決算で、2008年度の3期目には一億にはなると想定しています。事業としては、新たなモデルの立ち上げよりは、現在遂行中の事業をひとつひとつきちんと確立することに注力したいですね。その上でやはり、従業員を大切にしたいと思っています。できるだけ気持のよい環境で、きちんと給料を確保でき、従業員がやる気を出して120%、150%の能力を発揮できる環境を作りたいのです。たくさんのスタッフに囲まれ、自分についてきてくれて幸せになる人を増やしたい。それが企業としての目標であり、私自身の夢でもあります。
「成長ベンチャーTOPが語る」 トップページ / 一覧ページ