株式会社ハッピーコム

デジタル家電の販促マーケティングとIT研修が、現在の事業の２本柱となります。弊社は、女性がデジタル家電製品を買い安くなるため、またその情報を得ることができる場を作る目的で設立されました。

販促マーケティング事業は、全国のパソコン好きの女性やインストラクターに声をかけて、弊社のナビゲーターになってもらい、その人たちがIT講習会やパソコン教室でデジタル家電製品の紹介をすることで、メーカーさんから販売促進費をいただくというビジネスモデルで始まりました。ですので、クライアント様はほとんどメーカーさんです。

IT研修事業は、弊社のインストラクターや登録ナビゲーターが講師となり、受託の形でIT研修を行なっています。弊社と提携しているナビゲーターのグループや会社が全国にありますので、地元のクライアントさんからの依頼で講習を行なっています。ハッピーコム自体が研修を行なうのは神奈川、千葉、埼玉など都心に近い地域です。某自治体のIT研修施設の運営を受託しているので、毎日のように開催しています。

最近は女性が集まっているコミュニティが多いので、他社との差別化を図るために、弊社の「HappyデジタルSNS」ではデジモノ好きの女性という特定のユーザーに絞って展開しています。SNSはそれだけで収益となるというよりも、販売促進やマーケティングのリサーチをするツールとして運営しています。現在の会員はまだ300人程度ですので規模は小さいのですが、その割に大手のスポンサーがついているのは、日本ではそういう切り口のSNSがないからでしょうね。

「HappyデジタルSNS」の会員は、家電量販店に週１回は足を運ぶような本当にデジタル家電好きの女性が揃っています。300人の会員のうち、100名ほどが弊社のナビゲーターになっています。「HappyデジタルSNS」の会員と、エンジニアのネットワークなどの他のSNSメンバーとで合同オフ会なども開催しています。

私は前職で、毎日コミュニケーションズという出版社に勤めており、PC雑誌の部署で流通の管理や株式公開の準備などを担当していました。編集というよりはアドミニ的な管理をしておりましたが、PCに触れることは早かったのですね。

会社が株式公開の準備をすることになり、公認会計士さんの指導を受けて競合他社との比較データを作ったりしていたのですが、自分は経営について何も知らないことを痛感し、もっと勉強してみたいと思ったのですね。それで大学院（学習院大学大学院経営学研究科）を受験して社会人入学で受かったので、思い切って会社を退職し、経営学を学びました。でも勉強ばかりでは面白くないので（笑）、自分でフリーランス的に会社を作ってみようと思い、２年生のときに、企業の会社案内やプロモーション企画を作ったりする個人会社を立ち上げました。

大学院では経営学の論文を書くための経営者の取材などをしていたのですが、そのときに、現在ジャストシステム代表取締役専務で弊社の取締役会長でもある浮川初子さんと知り合ったのです。
浮川さんはちょうどその当時、女性向けのソフトウエア「ジャストホーム」を開発して販売開始しようとしていたのですが、何かいい販促方法がないかと探していらっしゃいました。そこで私が、女性に実際に体験してもらって販売したらどうでしょうと、企画案を出したのです。それならば「ジャストホーム」だけでなく、他にもいろいろやってみたらと浮川さんに出資していただいたのが、株式会社ハッピーコム設立の契機です。

女性というのは家電店で品物を買うのがどうも苦手なものです。インターネットの価格情報サイトなども、どうも入りづらい。そこで、女性が安心して入れる女性目線のコミュニティを作りたいという思いから、弊社のビジネスが始まっています。創業当時、全国のパソコンインストラクターの女性やデジモノ好きの女性たちに声をかけ、集まっていただきました。ですから弊社の特徴は、パソコンやデジモノ好きの女性が集まってコミュニティを形成していることです。
ハッピーコムという社名の由来は、「デジタルを活用してハッピーに」を目指し、Happy Communication、Happy Computer、Happy Companyの3つから採っています。

デジタル家電の販促マーケティングとIT研修の２本柱で、相乗効果を持たせつつ成長していくことをいつも考えています。家電商品は現在、価格競争によって淘汰されていますので、違う方法で売ること、つまりデジモノ好きの女性がデジタルコンシェルジュとして、自分が体験したことをブログでユーザーに発信し、ユーザーが購入する際の情報源にしてもらうというビジネスモデルを確立し、全国で展開していく計画です。
リアルな体験会は主要都市で開催していき、一方で、SNSなどのWEB上でも体験会のようなコンテンツを充実させていき、「HappyデジタルSNS」の会員を増やしていきたいですね。

弊社ではナビゲーター認定の試験も行なっており、マニュアル通りの操作方法を教えるだけではなく、企画提案などもできるようなナビゲーターの育成にも注力しています。指導者のための研修も行なっていますので、地方のナビゲーターの方が弊社の研修を受けることもできます。
また現在は、地域に根付いて会員さんを抱えているような団体や会社にアプローチし、弊社と提携をしてナビゲーターになっていただいています。地元でフリーペーパーを発行しているような会社さんもいますので、その事業のひとつとして体験会を開催していただくことになっています。

研修事業に関しては、弊社で「ハッピーコムデジタルスクール」を始めたので、ブランド力を上げていくことも目指しています。研修事業そのものが、販促マーケティング事業を促進するためのブランドにもなりますので、デジタル家電の教育機関として、ハッピーコムのブランドを確立していきたいですね。
３年後には、各家電メーカーさんやサービスサイト運営者の方々が、女性にアプローチしたいならハッピーコムに連絡を取っていただくような立場になりたいと思っています。

理系や情報系の女性の活躍の場を作りたいという想いが強いですね。そういう女性のキャリア支援をしていきたいと思っています。弊社のメンバーは元SEや元プログラマーなど理系出身の女子が多いのですが、彼女たちの目線が活かされた商品開発などの事業も、今後は展開していきたいですね。

近い夢としては、女性が入りやすい家電店を作りたいという夢があります。日本だけではなく海外でも通用するリアル店舗を作りたいと思っています。
将来的な夢としては、私自身も経営者の方からチャンスをいただいたので、男女関係なく、面白いビジネスを目指す人を育成、もしくはそういうビジネスを始めようとしている人に投資したいという夢も持っています。