株式会社テクノブラッド

弊社の事業は大きく分けると、ネットカフェ事業者様にソリューションとコンテンツを提供させていただく支援事業、また、海外オンラインゲームの日本進出支援と、オンラインゲームセキュリティサービスがメインになります。

ネットカフェ支援事業では、全国で約2800店のネットカフェに、オンラインゲームやEラーニングなどのコンテンツ配信を行なっています。メーカー様がユーザーを増やすためにネットカフェをプロモーションの場所として利用できるように、弊社はインターネットカフェ事業者様とメーカー様を繋げて、イベントなどを企画・運営したり、ネットカフェにコンテンツを導入したりなどのコンテンツの流通事業を行なっています。
またネットカフェ事業者様にコンテンツを流通する上で必須となる、オンラインゲームのインストール・パッチあてなど、店舗に設置した何十台ものパソコンのメンテナンスを無人で行なえるプログラムやソリューションなどを、弊社は自社開発して提供しています。

もうひとつの海外オンラインゲームの日本進出支援事業では、海外のオンラインゲーム開発会社が日本に進出したい場合に、韓国語や中国語などの日本語化＝ローカライズや、オープンベータテストなど全般的な支援を行ない、日本でのパブリッシャーを探すところまでの橋渡しを行なっています。もちろんパブリッシャーが決まったあとも、ローカライズの運営支援などを行なっています。

さらに最近非常にニーズが大きくなっているのは、オンラインゲーム上のセキュリティです。弊社は、オンラインゲーム上でのいろいろな違法行為を制限するセキュリティプロテクトソフト「nProtect:GameGuard」の日本代理店を務めております。この「nProtect:GameGuard」は現在、オンラインゲームメーカーのセキュリティ部門において国内では最大のシェアになっています。

ネットカフェ業界では、多数の事業者がフランチャイズで店舗経営しており、事業者間で競争していますので、事業者ごとにソリューションも異なっています。弊社では数年前から、業界全体で使えるソリューションの提供に注力してきました。

業界一致をして同じソリューションを使えることによって、ネットカフェでの集客率も上がりますし、ユーザーとメーカーから見たときの価値も上がります。現在では、業界上位の10社を含め、多くの事業者様に、弊社のソリューションを提供させていただいています。これはネットカフェ業界では初めての試みでしたので、弊社の存在価値は非常に大きいのではないかと思っています。

現在は全国のネットカフェの約600店舗で弊社のソリューションを使っていただいており、弊社のデータセンターのサーバーには、約3万台のPCが繋がっています。今年中には最低でも6万台までは繋がる予定ですし、店舗数でも1千店舗くらいになります。

全国でどのゲームがどのくらい利用されているかのデータや、どのくらい稼動しているかのランキングデータも、弊社のネットカフェ・ポータルサイト「TB Press」で公開しています。またメーカー様とイベントキャンペーンを行なった場合も、時間単位で、どのように効果が伸びたかもわかります。このようにマーケティングデータも集積していますので、お客様を増やすという共同の目標に対して弊社は、メーカー様にもネットカフェ事業者様にも貢献しています。この点も弊社の事業展開の特長だと思っています。

私は最初、日興証券に勤めており、4年間ほど営業を担当していました。パソコンやインターネットが出始めた時期でしたので非常に興味を持ち、当時はゲーム流通最大手だったブルート社に移って、27歳で統括部長になりました。最盛期には全国に380店舗くらいのゲームショップを展開していたのですが、倒産してしまったのですね。

私自身はエンターテインメントの仕事は面白いし夢があると思っていましたので、当時ちょうどオンラインゲームが出始めていたこともあり、ネットカフェ業界に飛び込み、フランチャイズビジネスに携わりました。従来のマンガ喫茶ではない、ブロードバンドコンテンツでたくさん遊べるネットカフェを作ろうと思っていたのです。

ですが、１事業者の50店舗くらいのネットカフェではメーカーにプロモーションを提案できない。「全国1千店舗でプロモーションを行ないます」と言えばメーカーもコンテンツを提供しやすいわけですが、私自身が１事業者に所属していては夢を実現できない。それで、流通ディストリビューターとして第3者的な立場からメーカーにも業界全体にも提案していきたいと考え、ソフトバンクBB社に入社し、2002年にオンラインゲームコンテンツ流通事業を立ち上げたのです。

その後、2年間で2000店舗のネットカフェと契約をして、いろいろなゲームコンテンツの流通を行ない、国内トップシェアとなりました。

しかし問題もありました。私は、ネットカフェでたくさんのユーザーさんにオンラインゲームを楽しんでもらうために、メーカーと組んで大掛かりなキャンペーンやイベントを企画・運営していたのですが、各店舗がそういう大掛かりなイベントに対応しきれないという現状があったのです。ネットカフェは１〜2人の店員だけで回している店舗が多いので、PCのメンテナンスやリカバリーを外してゲームをインストールしたりパッチを当てたりする時間がなかなか取れない。だから、いろいろなイベントを企画しても店舗自体が準備をできなかったわけです。

そのときに私は、ネットカフェの各店舗がソリューションの力でオートマチックに準備できる状態を作ることが必要だと痛感し、ソリューション開発を手がけていたテクノブラッドと合流し、2005年12月から取締役副社長を務めさせていただきました。そして2008年4月から代表取締役社長に就任し、現在に至っているわけです。

弊社の現在の事業は、ネットカフェの業界においてはブランド力も確立し、業界全体からもパートナーとしての評価を受けていますので、このままシェアを拡大することによって存在価値は高まると思いますが、今後さらに事業を拡大していくためには、より多くのエンドユーザーさんに直接弊社のビジネスモデルの価値を認知していただき、利用してもらうような仕組みを作っていく必要があると考えています。

その一環としてすでに始めている事業が、「Pay Net Cafe」というネットカフェ現金決済の仕組みです。POSなどのネットワークで弊社と連動して、ソリューションを提供している全国のネットカフェを繋げて、コンテンツの現金決済をネットカフェでできる仕組みです。

オンラインゲームでは通常、ゲームのポータルサイトでクレジットカードを登録して決済を行なっていますが、フィッシング詐欺や個人情報流出などのいろいろなリスクがあります。「Pay Net Cafe」を利用していただくとユーザーさんは、インターネットカフェでのプレイにおいて、ゲーム内のアイテムを現金で購入することができますので、わずらわしい登録などは不要ですし、個人情報の流失などの心配も一切ありません。

「Pay Net Cafe」での現金決済は、今はオンラインゲームだけで行なっていますが、今後はＥラーニングや音楽や映像などでも展開していく予定です。ブロードバンドの世界が広がっていくにしたがってダウンロード決済はますます多くなっていくので、現金決済をする場所としてネットカフェを利用していただくことは、エンドユーザーさんにとって非常に便利だと思っています。

また弊社では、ユーザーさんがネットカフェで参加できるコンテンツの充実に注力しています。Eラーニング事業では、「脳内カレッジ」というサービスを行なっており、英会話、フランス語、中国語などの語学講座や、宅建やＳＰＩ文字や面接の仕方など、1000講座くらいのありとあらゆる学習コンテンツを提供しています。通常は月額でのサービスを、ネットカフェではＩＰスルーを使い、無料で開放しています。お好きなコンテンツを選んでいただき、体験して気に入ったものを、実際に家に帰ってから契約してもらう仕組みになっています。今後はこのＥラーニングの講座を数千以上に増やしていく計画です。

IT業界では新しい技術やサービスがどんどん生まれ、次から次へとムーブメントが移り変わっていきます。特に弊社の携わっているブロードバンドの世界は、これからますます進化していく業界です。世の中の最先端のものや時代の波に乗っているものを、自分たちの力によってさらに発展させるというような事業は、非常にエキサイティングな仕事だと思っています。

私自身は、弊社でなければ世の中に起こせないもの、言わば革命的なものをブロードバンドの世界で起こしたいですし、新しい付加価値のあるサービスを生み出したいと思っています。
ですから、新しいことや進化していくものが好きな人、自分たちで新しいビジネスモデルを生み出すことに興味を持つ人、そういう人材を弊社では求めています。

社会に対しても会社に対しても、自分の影響力を貪欲に実行していく人。生まれたからには何かを変えたい、時代の何かを一部でも変えるところに自分が参画したいと思っている人が欲しいですね。

3年後には上場を目指したいと思っています。私たちが企画開発しているソリューションは、世界においてもニーズがあるだろうと考えていますので、3年後までには海外の数カ国には進出したいですね。10年後には20カ国くらいでネットカフェ支援事業を展開している計画です。
ですので、3年後に100人以上の社員規模にし、売上的には最低でも、上場のタイミング時に100億くらいの規模にしたいですね。

全国のネットカフェの店舗数は、2000〜2006年までは500店舗くらいずつ増えていましたが、昨年（2007年）は、ネットカフェ難民などのネガティブキャンペーンがありましたので初めて成長が止まり、現在は全国で3000店舗ほどです。

私自身は、ポジティブで新しいものを生み出す方向にネットカフェ業界全体が向かうべきだと考えています。ですから弊社では、ネットカフェでの現金決済モデルや脳内カレッジなど、業界全体で行なえるサービス事業をどんどん展開していき、全国のネットカフェの店舗数を5千、1万と増やしていこうと努力しています。

オンラインゲームやＥラーニングなどのブロードバンドコンテンツをもっと広げ、ネットカフェのステータスを上げながら、楽しく健全なブロードバンド社会の実現を目指していくことが、事業にかける私の想いです。

会社というのは、儲かるかどうかではなく、正しいか正しくないかが非常に重要だと思います。弊社の企業理念は「ジャスティス、ポジティブ、アグレッシブ」ですが、まず「ジャスティス」が何よりも優先されます。すべての利害関係者、取引先、ユーザーに対して、サービスそのものが世の中に存在していいのか、価値があるのか、費用対効果で適正なのか、そういう点で正しいと思える仕事をする。その上で次に、徹底的にポジティブでアグレッシブに動くべきだと考えています。そういうビジョンを持った社員、そういう理念を貫く会社は成功するし、必ず成長する、というのが事業にかける経営者としての信念です。

もちろん正しいことをするには、全方位を見ながら業界や時代の動向を徹底的に勉強しないといけません。羅針盤が間違っていたら変な方向にいってしまいますからね。ただ、正しいことをしようという信念を持ち続けていれば、軌道修正もできますし、必ず評価されるはずです。正義は必ず勝つし、勝たなくてはいけません（笑）。そう思っています。