株式会社セイファートホールディングス

株式会社セイファートホールディングスは、美容師と美容室が抱えるさまざまな問題を解決し、その可能性を最大限に開拓・拡大するビジネスを展開する5つの事業会社を経営統合してスタートした会社です。

中でも柱となる株式会社セイファートの事業は、美容室経営のサポートがメイン。特に美容室の採用と販促についてそれぞれソリューションを提供しています。
採用については、美容業界専門の就職情報誌「re-quest/QJ」、美容学校生のための就職情報誌「Rookies」を発行しています。これらは、それぞれ「re-quest/QJ navi」「webRookies」として、WEBでもサービスを展開しています。また、合同会社説明会「美容師就職フェア」の開催・運営も行なっており、美容業界の就職イベントとしては定番といわれるようになりました。
　
弊社がターゲットとするお客様は、採用を必要とする美容室が主です。つまり、成長をつづけていて、新規出店なども盛んに行なっている美容室です。そのため、採用とあわせて、出店前のエリアマーケティングから出店時のプロモーションやお店のコンセプトメイキングまでをお任せいただき、集客のお手伝いをさせていただく機会も増えています。

教育事業についてはグループ会社の株式会社ビーキャリア、株式会社HABIA EASTの２社が主に行なっています。ビーキャリアでは美容師を中心にネイリストなども含めた美容系人材の派遣と紹介、また海外留学事業や、「B-SENSE」というスクールの運営も行なっています。「B-SENSE」では、独自のトレーニング施設を用意し、技術レベルのチェックや、しばらくブランクがある人の手慣らしの場として活用いただいたり、アカデミーも開催しています。

　株式会社HABIA EASTでは、国際的な美容技能証明である「HIQ/NVQ」の日本における認証機関として、「HIQ/NVQ」に関わる教育・研修プログラムの開発と実施を行なっています。
社名にもある「Habia」とは、英国内における美容技能証明を統括する機関のことです。「Habia」では英国政府・教育職業技能省の支援のもと、ヘアドレッサーやビューティセラピスト(ネイル・メイク・エステ)のスキルスタンダードを開発・認証しており、その技能証明を国外でも普及すべく、「HIQ/NVQ」を開発しました。株式会社HABIA EASTでは、ヘア、メイク、ネイルの3セクションで、LEVEL.1-3の各レベルの「HIQ/NVQ」を認証しています。さらに、中国北京市にもセイファートチャイナという会社を置いて、中国における「HIQ/NVQ」の普及を目指しています。
将来的には、美容師も国際資格をめざし、その技術を身につけるため、政府から助成を受けるという道がひらけるかもしれません。美容師の教育コストは他業種に比べても高く、弊社では、この「HIQ/NVQ」を美容室の社員教育ソリューションとして提供できればと考えています。

私は、大学卒業後に小さな化粧品メーカーに就職しました。その会社では、美容室を販売チャネルとした基礎化粧品を販売しており、私もライトバンに化粧品を積んで、毎日美容室をまわっていました。美容技術に加え、化粧品売上を上げることでお店を繁盛させてくださいというような営業ですね。しかし、当時の美容業界も今以上に採用難の時代で、化粧品よりも人を紹介して欲しいというオーナーが多かったのです。
当時は美容師というだけでクレジットカードが作れないとか、賃貸契約ができないという問題が結構あり、美容師はまさに「3K」といわれるような職業だったのです。それに対して、美容師の職業としての地位を上げたい、欧米のようにリスペクトされるような職業に変えたいというオーナーたちの熱い意志と意欲をうけ、いつかその役割を担いたいと思って起業することにしたのです。

最初は在籍していた会社のグループ会社として起業しました。その会社は、自分のやりたいことを自分で事業化して、対等な関係の中で協力し合おうという理念の会社だったので、資本金も運転資金も自分で調達しなければなりませんでした。しかし、既存の営業リソースや、人材を活かせるなど、メリットも多くありました。
最初の事業は美容業界専門の就職情報誌「re-quest/QJ」の発行です。当時、美容業界の求人情報は大手就職情報会社が刊行する媒体の1コーナーのみでした。それでも「re-quest/QJ」の創刊当初は全くといっていいほど反応はありませんでしたね。そのために、その当時は、美容室に対しては実際に採用できるまで求人広告の掲載料を無料にしたり、美容学校生に対しては弊社に来ていただいて就職相談にのるというサービスを行なっていました。そうするうちに少しずつ知名度が上がり、派遣法の改正をきっかけに、媒体だけでなく人材紹介や派遣の分野まで事業を拡げるべく、株式会社ビーキャリアを立ち上げたのです。

一都三県の美容師採用事業については、ある程度安定しています。しかし、「re-quest/QJ」については全国展開を目指していますので、営業拠点の確保が不可欠です。現在は、大阪・名古屋・東京で展開していますが、それ以外の地域についてはWEB版を活用し、その土地ごとの代理店やディーラーとパートナーシップを組む形を検討しています。

また、新しい取組みとしてビューケット事業を推進しています。「ビューケット」とは、ビューティとマーケットをかけた造語で、美容室をメディア化するという意味です。私たちは美容室が「第６のメディア」になりうるという仮説を立てており、すでに2500店舗の美容室とパートナーサロンとしての契約をしています。美容室はエンドユーザーが2時間くらい座ってお話をできる場所、しかも、ほとんどの女性は必ず美容室に行きます。ですから、サンプリング一つとっても、単なる街頭などでの配布とは異なり、お客様に大切にお渡し、ご説明できる環境になると考えたのです。このビューケット事業はすでに多くの大手企業にもご賛同いただいており、これまでに多数のプロモーションを実施しています。

私たちが目指しているのは、美容業界の新しい可能性を生み出すことです。
美容室や美容師のみなさんがビューケットのプロモーションに参加することで、新たな可能性が広がり、結果的に美容業界そのもののステータスを上げることができればいいと思っています。

美容室の数は増え続けており、現在21万7千軒あるといわれています。その中で弊社の「re-quest/QJ」をご利用いただいているお客様は約10％。一見、少ないように見えるかもしれませんが、首都圏では成長している元気な美容室のほぼ100％が弊社のお客様となっています。もちろん、大手のメーカーもこの勝ち組マーケットをシェアしていますが、弊社は求人というメーカーやディーラーとは競合しない別の軸で、マーケットの拡大を図っています。
弊社は、これから伸びようとする美容室に最適なソリューションを提供し、一緒に伸びていきたいと考えています。美容室・美容師の可能性は、これからもっともっと広がっていくでしょう。ヘアスタイルだけでなく、お客様のオシャレに対する顧問美容師としての地位も向上するはずですし、高齢化の中で美容と介護が融合するマーケットも伸びるかもしれません。アンチエイジング分野も、医療だけでなく美容業界が果たせる役割は大きなものがあるはずです。
これらをプロフェッショナルとしてナビゲーションできるのは、国家資格を持った美容師なのだといえるようにしたいのです。そうすることで、美容師という職業の新しい可能性を切り開きたいと考えています。また、世界の人口の７割が黒髪であり、それを最も上手くプロデュースできるのは日本人美容師であると考えています。アジアにおける美容分野でイニシアティブをとるのは日本であると誰もが認める日も近いのではないでしょうか。
国内においては美容業界の新しい可能性、そしてアジアという視点から海外に向けた可能性、この二つをこれからも追いかけていきたい、それがこの事業にかける私の想いです。