ミウ･コスメティックス株式会社

化粧品、食品、医薬部外品など、ビューティ、ヘルスケア商品の企画と販売を行なっています。炭酸ガスをテーマにしたスキンケア商品を百貨店などに流通し、現在、店舗は都内を中心に神戸、大阪、京都など、約100店舗近くあります。弊社の創業は2006年3月ですが、おかげさまで様々な年齢層のお客様に好評を得ています。弊社の顧客ターゲットは、年齢などの属性では分けていないので、様々な年齢層の方にご利用してもらっています。30代40代のお客様も多いですが、80歳の女性のお客様からお葉書をいただいたりもします。
商品の企画段階では、「属性よりも感性を」という合言葉を大事にしながら、開発部門、コンセプト部門、デザイン部門など、それぞれの担当が集まり、チームを組んで行なっています。商品のデザインに関しては毛利祐吉さんと仰る、世界的に有名なブランドのパンフレットなども手がけているデザイン･コピーの巨匠なのですが、とても独創的で素晴らしい方です。良いものは、良い環境で働かなくては生まれないと毛利さんはおっしゃいます。毛利さんの創造性に刺激されながら、弊社のスタッフたちは日々、様々なアイデアを出し合っています。単に化粧品を開発・販売するだけではなく、アーティスティックな部分を常々大切にしようと思っています。

元々化粧品にすごく興味があったのはないですが、自分の肌が荒れていた時期に、「炭酸ガス」の成分を使った治療薬に出会い、あまりにも衝撃的だったのです。炭酸というと、コーラやシャンパンなどの飲料類にしか使われていないと思っていたのですが、その炭酸が肌の治療に使えるということを知り、驚くのと同時に、その意外性に引き込まれていったのです。そして、今までにない炭酸ガスを使った化粧品を作りたいと思いました。
化粧とは、「荒れている肌を奇麗にしました」というだけではありません。化粧をするということは、鏡の前に立った時の「自己実現」だと思うのです。他の女性も皆同じではないでしょうか。奇麗になった自分を見る瞬間、すごいエネルギーを出していると思うのです。化粧品とは、すごいエネルギーを出せるものであり、使った人の気持ちをも変えることができるのです。そういう根源的な力を持った化粧品の世界に非常に興味を持ち、起業に至りました。
　もちろん私ひとりだけで起業しようと思っても、そう簡単には実現しなかったはずです。私の起業の思いを応援してくれる、様々な人たちと出会うことができたおかげです。本当に自然な形で多くの人たちに集まっていただき、起業できましたね。

人にいっぱい会うことです。人に会うと、いろんなことを吸収できますし、自分を見直すこともできます。私はまだ25歳の若輩ですので、自分の意見や思いを押し通すというよりも、柔軟な自然体でいて、いろいろなことを吸収していこうと思っています。そうすることが、アイデアのひらめきにも繋がるのだと思っています。
弊社はまだまだ小さな会社ですので、「ルールアウト」という言葉を大事にしているのです。市場のマーケット調査などもしますが、「ルールイン」ばかりで事業展開すると、ニーズとウォンツの戦い合いみたいになってしまいます。
大手の化粧品会社が出していないようなオリジナル商品を作っていきたいですし、「25歳になったらあなたの肌は曲がりますよ、危ないですよ」と脅かすように宣伝して化粧品を売るのではなく、化粧品を通して夢を作っていきたいですね。
元々私は、オリジナリティを大事にする性質なんですよ。大企業の社長さんなどはよく、中国や日本の支配者層の歴史を詳しく勉強していらっしゃったりしますが、私は革命家のチェ・ゲバラが好きだったり（笑）。ゲバラもやはり「ルールアウト」ですよね。

ポーラ・オルビス ホールディングスと資本提携を結び、協業していくことを締結しました。今回の提携に当たっては、私たちがポーラ化粧品の背中におんぶしているような形では、ポーラに対しても世界市場に対しても失礼だと思うので、自分たちにしかできないことは何かということを常に考えています。

2008年からは、インターナショナルに活動していこうと考えています。世界中に2000店舗という規模のマーケットを持っているニューヨークのランジェリーメーカーと、タイアップでブランド商品を作ります。このブランド商品は2008年末頃に完成予定です。
新たな展開としては、地域再生プロジェクトの事業を予定しています。現在、私は大学院に在学中なのですが、所属している研究室・内閣府・地域と当社が提携して、その地域の第一次産品にいかに付加価値をつけてブランド力のある加工品として販売し、地域の活性化に繋げるかということを考えております。都会を中心としたビューティービジネスだけでなく、地域にフォーカスした事業を展開して参りたいと思っております。

私は、マクロ的な“アーティスティック・ブランド”を作りたいと思っていますので、常に視野を広く捉えていたいです。ニューヨーク、東京を拠点に、弊社のブランドを世界のマーケットへ広げていきたいと思っています。
私が考えるアーティスティックなブランドとは、人間同士のつながりなのです。アーティストでない私が、アーティスティックなブランドを作るために何ができるかというと、「ニューヨークと日本をつなげる」ことや「人と人をつなげる」ことなどのマッチング事業だと思うのです。
「人と人をつなげる」という点では、ある偶然的な瞬間に、トップにタッチできることがあるのですよ。つまり、世界的に活躍しているトップデザイナーなどに出会える瞬間ですね。その出会いを見逃さずに大事にしながら、人と人とをつなげていく仕事が、私の役割だと思っています。