株式会社メディカル・オブリージュ

現在、柱にしている事業は二つあります。一つは2005年3月から運営している「医局＠人事」サイトです。転職したい医師と、医師の転職をサポートする人材バンクとの仲介役と思っていただければいいと思います。医師の人材紹介会社は国内に200社以上ありますが、そのうちの28社と提携した一括登録サービスが特色です。
　もう一つの柱が「Next Doctors」で、医師・医学生限定の質問・回答コミュニティです。オープンしたのは、2007年9月ですが、現時点で会員数が4500名近くになっています。来年中に1万名まで増やしたいと思っています。

近年、医療事故訴訟が増えたり、手術の承諾書が膨大な量になったり、普通に頑張っている医師の思いが消費者に伝わらなくなってきたことを実感しています。
医師が生涯で救える患者数というのは高々数十万人。医師としてもう少し根本的な、インパクトのある仕事ができないかと思っていました。まず、人材の流動化促進という意味で考えたのが、医師人材バンク一括登録サービスでした。大学院生のときに起業し、当初は内容をなかなか理解してもらえず苦労しましたが、現在、900名以上の医師、28社の人材紹介会社に登録してもらっています。

医者は全国で約28万人、そのうち48歳以下が9万人で、多くが勤務医として病院に勤めています。その人たちがメインのターゲットで、医師向け人材バンクに登録してもらいます。これがなかなか大変で、我々はそこをお手伝いしています。
医師にとっては人材バンクに一括登録してもらえるのは大きなメリットで、クライアント（人材バンク）にとっては転職希望医師の情報は商品の仕入れのようなものですから，提供をうけることは大きなメリットであるわけです。

考えたのは「医局＠人事」より早かったと思います。私自身が任意団体を主宰していましたので、医師の横のつながりが欲しいと思っていた時にmixiのSNSブームが起り、自分の考えていたものと符合すると感じましたので、ビジネスとしてやろうと決断をしました。それが2006年2月です。ネットや学会などを通じて先生方に入っていただき、Next Doctorsから社会に向けていろいろな情報を発信していきます。具体的にはさまざまなQ&Aやアンケート調査です。ビジネスとしてはアンケートと広告の収入という形ですが、社会的に意義のある「医師の集合知」を発信することを目指しています。

IPOということよりも前に、まず社会に認知される公共の会社にしたいという想いがあります。何十年と続く事業にしたいと思います。