株式会社リンクイット

ＷＥＢシステムの設計・開発・運用までのトータルサポートと、一般向けのビデオダビングや映像編集を行なう「東京ダビングセンター」の運営が主な事業内容です。現在は映像関連事業に注力しており、「東京ダビングセンター」では、主にVHSからDVDへのコピーなど、メディア変換をおこなっています。約6割が法人のお客様で、セミナーの録画画像や販促ツールをDVD等にコピーし、ロゴの入ったラベルの印刷なども請け負っています。ダビングは1枚200円からご提供していますので、業界ではとても安価なサービスですよ。
特に映像事業では、あまり技術に詳しくない方でも、身近なものとしてご利用していただけることをコンセプトにしています。映像というと敷居の高い業界というイメージが強く、これまでのテレビや映画の流れからの業界構造をそのまま踏襲していることが多いのですね。一般の方が映像関連で依頼しようとしても、まず相場がわからず、見積もりも桁がひとつ違うものが出てくることもあります。弊社では、一般の人でも理解しやすく手ごろな値段でのサービス提供を目指しています。
弊社では現在、さまざまな業界のお客様からご依頼を受けており、テレビ局、メーカー、法律事務所、学校関係から政府機関まで、本当に幅広くご利用頂いております。法人でのご依頼は累積で800社以上あり、個人も含めると月に約300件の受注があります。PRはHPのみですが、もともと私自身がシステム開発出身なので、SEO対策はきちんと行なっています。「ダビング」というキーワードで検索すると、Yahooなら１番目か2番目に表示されますよ。

私はもともと、学生のころから自分で会社を作りたいという思いを持っていました。そのための経験を積むために、コンサルティング会社を経て通信関係のベンチャー企業に入社しました。その会社では、社内ベンチャーの立ち上げや新事業の企画など、本当にいろいろな勉強ができましたね。
こういった経験を積んでから起業したのですが、設立当事はちょうどインターネットが世に出始めたときでしたので、システム開発の仕事をしていた私自身の経緯を活かし、WEBのシステムやコンテンツを開発する事業を手がけました。その後、事業拡大のために映像サービス事業も始めたのです。
映像関連のダビング事業は2006年、You Tubeでの動画配信が流行りだしたころに立ち上げました。これからは映像を配信するサービスそのものがさらに必要になるのではないかと考えたのです。
最初は動画を撮影するサービスを予定していたのですが、スタッフを集めてアイディアを出し合うと、WEBで配信する動画を撮影するといっても、一般の人にはわかりにくいという意見が出たのですね。そこでまずは、わかりやすい内容として、メディア変換、いわゆるダビングに絞った事業展開にしました。一般の方にわかりやすくなければ、お客様はついてきてくれませんからね。
そうして、動画自体のニーズを図ってから、動画撮影のサービスを展開していこうと考えたのです。今や、WEBでの動画コンテンツは当たり前になりつつありますよね。

システム開発事業のみのころは、自分ひとりだけでやっていましたが、今は映像サービスで多くの方に利用していただける基盤が整いました。今後は関西や地方に支店を作り、もっと多くの方に映像のサービスを広げていきたいと考えています。また、リアル店舗だけでなくWEBでの動画配信サービスも展開していきたいですね。
また、今後の動画撮影サービス展開への布石として、撮影見積もりサービスを展開しています。見積もりを作成することで、実際に撮影できる会社とのパイプも太くしていきたいと考えています。現在取引先は30社程度ですが、2008年中には200〜300社まで増やしていきたいですね。
また、映像のレンタル編集ブースを提供するサービスを構想中です。プロ仕様の機材とまではいかなくとも、映像を編集するパソコンはなかなか普通のスペックでは対応できないので、KINKO’Sの映像版のように、来店いただいて簡単に作業できるようなサービスを考えています。

3年後には3〜4店舗までダビングのお店を増やしたいですね。そのためには社員も30名ほどは増員しようと思っています。ダビング事業はまだまだこれから伸びる余地があります。プラスアルファとしてＷＥＢ動画撮影から編集まで一貫したサービスを、法人から個人のお客様まで幅広く提供できるようになりたいですね。
弊社の映像事業は、本当のプロの映像制作会社というより、機材もクオリティもプロ並みまでは求めない、でもある程度の品質を安価に実現したいという中間ニーズを狙っています。そういったポジションで、町の頼れる映像屋さんのような存在であり続けられればよいですね。

起業して私なりに考えたのは、システム開発出身の私が専門ではない映像サービスを行なうことで、むしろ客観的に事業を見られるようになったことです。自分の夢のために事業を展開するのではなく、本質的にはお客様にどんなサービスが提供できるのかが大切であると、やっとわかってきたように思います。
会社を自分で経営したいと思ったのは、自分にしかできないことをしたかったからです。企業としては売上やシェアももちろん必要ですが、その前に、自分たちにしかできないことができる環境が大切です。
「きれいごと」に聞こえるかもしれませんが、むしろ「きれいごと」をきちんとできるようになるために、売上や利益を追求したいと私は考えています。その上で、究極的には自分の感性で自分なりに心地よく過ごせる人生が送れればうれしいですね。