エンジュク株式会社

事業内容は大きくわけて、投資関連のポータルサイト及びセミナーの運営、そしてそれらをまとめたＤＶＤの販売になります。
創業当初は、投資セミナーを開催すればどんどん人が入るという状況で順調に伸びていたのですが、2006年のライブドアショック以降、個人投資家の熱はあっという間に冷めて、それに伴って当社の事業もかなり厳しい状態になりました。
個人投資家だけに向けたビジネスモデルというのは、社会状況による景気に景気の波に影響されやすいので、それだけで企業を経営していくのは難しい。そういう苦い経験を経て、2006年の７月にＢｔｏＢにつながるビジネスとして、投資系のポータルサイト「投資日記ステーション」を作り、その広告で利益を上げることを考えたのです。

事業全体としては、投資に関するＤＶＤの販売が収益源なのですが、平均単価が２２，０００円と高額です。このDVDをすぐに購入するというのはお客様にとってもハードルが高いので、まずは入門編的に無料で学べるものが必要だと考え、「投資日記ステーション」を開設したわけです。
このサイトは、セミナー事業でのつながりもあり、30名程の講師に１日１５記事くらい書いてもらってアップできる仕組みになっており、現在は月間で130万ＰＶくらいあります。
WEBサイトは他にも10サイト以上を運営しており、2006年末からは証券会社の比較サイトを立ち上げました。セミナーの中でも、投資を始めるという方から一番質問が多いのは、どこの証券会社がよいかということ。それをヒアリングしてまとめたサイトを作れば、お客様にとっても有益ですし、もちろん当社にとっての広告収益にもつながっています。
セミナー事業については、これらのサイトなどをもとに、お客様が欲している情報を、講師が話す内容に組み込んでいけるようサポートすることが、我々の仕事と考えています。

最初に入社した会社では法人営業をやっていました。入社前はバリバリ働くかっこいいビジネスマンを想像していたのですが、実はとても暇な職場だったのです。
ある日、個人でイベントを開催し、収益が上がるという経験をしました。そのとき、何かを作ってお金を稼ぐということに非常に面白さを覚えたのですね。そこで初めて起業したいという気持ちが出てきました。その後、インターネットで、当時「起業家輩出機関」を謳っていたベンチャーリンクという会社を知ったのです。
そこで起業している人たちを見て、ここなら勉強になるし起業もできると思い、すぐに転職しました。ベンチャーリンクには３年間は居るつもりだったのですが、起業するにあたって仕事が忙しく、二足のわらじというわけにもいかなくなって、１年半で退職してしまいました。でも、この会社でたくさんの起業家の方にお会いできたのは本当に良い経験になったと思っています。
創業は2003年4月ですが、その当時「金持ち父さん、貧乏父さん」という本に感化されてキャッシュフローゲームというゲームをしたことがあったのです。でもゲームだけやっていても実生活にどう当てはめてよいのか、例えば株とか不動産でどうやったら利益がでるのかというところはよくわからなかった。そこで自分たちも勉強をしたいし、そういったお金に関する教育の場があれば、そこにニーズがあるだろうという想定をして、会社をスタートしました。

2011年くらいを想定して上場を考えています。とはいえ、それは通過点でしかなく、将来的なビジョンに向けて事業を続けていくときに、資金が大体どのくらい必要かを想定したうえで、上場する必要性もあるだろう、という考え方です。
上場後のビジョンの１つとして、2007年４月からスタートさせている学生投資プロジェクトを、将来的には低年齢層へもターゲットを広げた投資教育の場として塾展開し、英会話やパソコンスクールのようにお金に関して勉強できるところにしたいと考えています。

当社には「教育を通じてより豊かな未来を創造する」と「全従業員の物心両面の幸せを追求する」という２つの理念があります。投資の教育というところでは、単に投資のテクニックを教えるというのではなく、投資家がお金をだして、そのお金をもとに企業が成長して、そのリターンを投資家が得るという本来の株式投資について広めてゆきたいと考えています。
その中で成長企業を見分けて投資をすることができるようになれば、より経済が成長してお金がうまくまわっていくと思うのです。そのお手伝いができるポジション、そこに当社の意義はあると今は考えています。
そのためには、投資家の教育だけでなく、企業側も適正に投資家が欲している情報を出し、社長がビジョンをきちんと語れるようになっていかなければならないと思っています。

また、今後ＩＲサポートも積極的に行っていきたいと考えています。ＩＲサポートについては先行企業もあるのですが、当社は企業側を投資家の視点で教育したいという点で根本的に異なります。
また、いわゆる一般の投資家というだけでなく、例えば従業員も時間をその企業に投資しているし、学生も入社にあたって人生を投資しているともいえるわけです。学生についていえば、就職活動で企業を選ぶときに何を参考にしているかというと、単なる人気や給与、働き方というのがほとんどで、社長のビジョンや思想、決算書ベースで事業をみるという人はほとんどいないでしょう。
そこがわかるようになれば、企業と学生とのミスマッチがなくなる。その面でも、ＩＲのイベントなどは投資家だけでなく学生にもアピールできる場として機能させたいと考えています。

先ほどお話した企業理念、これを死ぬまで追っていくのが夢なのです。そして、ビジョンを追う中で、仕事で涙を流せる会社にしたい。それは苦しさでも達成感でもいいのです。本気でやらないと涙はでないですから。従業員すべてが真剣に仕事に向き合えるような会社にしたいと思っています。